350号　SNS型投資詐欺の被害が増えています

SNS型投資詐欺とは

主としてSNSなどの非対面における方法で、架空の投資話や、高配当・高リターン、元本保証やリスクがないなどの虚偽の事実を告げて、投資名目でお金をだまし取る詐欺の手口です。相手から紹介された投資用のアプリで利益が出ているように表示されることから、被害に気付くのが遅れるケースが多く、1件あたりの被害額が高額になる傾向にあります。

市内で発生したSNS型投資詐欺被害の事例

市内在住の20歳代女性の事例

スマートフォンでみた「スマホで簡単！副収入」という内容の広告に興味をもち、SNSでやり取りを始めました。消費者金融で審査を受けるよう言われ、複数の消費者金融のサイトにアクセスし、融資を受けた200万円を相手に指定された口座に振り込みました。

市内在住の30歳代女性の事例

自宅でSNSを閲覧中、投資に関する広告を見つけてアクセスすると、投資会社を紹介されました。約2か月間にわたって投資を検討するなかで、アドバイザーらの指導を信じ、指定されたインターネットバンキングの口座に40万円を振り込みました。

市内在住の40歳代女性の事例

知人から紹介された投資会社とやり取りを始め、個人情報を伝えて投資運用アプリをダウンロードしました。その後、金融機関のATMから指定された口座に15万円を振り込み、さらに口座内の資金を増やすように要求され、スーパーのATMから10万円を振り込みました。

市内在住の50歳代女性の事例

インターネットで投資家のSNSを見つけ、連絡を取りました。紹介されたアプリを入手後、カスタマーセンターから指定されたネット銀行の口座に4回に分けて2000万円を振り込みました。
1300万円の利益があったことから出金要請をしたところ、税金や手数料を要求されました。

SNS型投資詐欺の注意ポイント

1．知らないアカウントからもうけ話に関するメッセージが届いた。

主に投資に関するもうけ話で、詳しい内容を理解させず、「指示通りにするだけ」などの言葉でだますものです。

2．グループチャットなどに勝手に招待された。

SNSのグループ機能を悪用し、グループ内の会話で信頼のある人物を作り上げ、その後個人チャットなどに誘導し、もうけ話をしてだますものです。

3．投資に勧誘され、投資アプリのインストールをすすめられた。

投資金の利益が変動しているような表示を見せて、利益が出ているように信じ込ませるためのものです。

4．投資に勧誘しているのは、無登録の事業者だった。

金融商品取引業を営む場合、相手が日本に居住する客顧の場合には、金融商品取引業の登録が必要です。業者が登録を受けているかどうかを金融庁のHPなどで確認しましょう。（登録事業者であっても信憑性は確かではありません。）

5．稼いだお金を引き出すのに事前に説明のなかった手数料などを要求された。

一般的に投資や副業で得た利益を引き出す際、事前に説明のなかった高額な手数料などを追加で要求することはありません。エラーなどの解除手数料、契約の解約金、違約金などのさまざまな理由でお金を要求してきます。

「絶対儲かる」「必ず利益がでる」うまい話はありません

SNSの普及や投資ブームにより、全国的にSNS型投資詐欺の被害が増えています。SNS上での安易なもうけ話の勧誘や、リスクの説明がなく高収益のみを強調する勧誘には応じないようにしましょう。

また、投資においては、どれだけ儲かるかという説明に耳を奪われることなく、どれだけ損をする可能性があるのかを十分に確認する必要があります。そして、商品の特性を十分に理解したうえで、自分の余裕資金の範囲内で契約しましょう。

投資の勧誘を受けて不安なときや、投資の利益を出金申請した際に税金や手数料などを振り込むよう要求されたときは、お金を支払う前に家族や警察、消費生活センターに相談してください。