平成25年度(2013年度)施政方針

ウェブ番号1007065  更新日 2021年2月25日

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平成25年3月1日

宇部市長 久保田后子

平成25年3月市議会定例会の開会に当たりまして、平成25年度の市政運営に関する基本的な考え方と予算案の概要について申し述べ、市議会並びに市民の皆様の御理解と御協力をお願いするものです。

はじめに

私は市長に就任して以来、「市民と語る、考える、動く」を市政運営の基本姿勢とし、「第四次宇部市総合計画前期実行計画」を基調に、「みんなで築く 活力と交流による元気都市」を目指し、今日まで全力で取り組んでまいりました。

この間、地方分権の本格化や社会経済情勢の変動など、本市を取り巻く環境は、大きく変化し、厳しさを増しています。

これらの環境の変化に対応するため、積極的に行財政改革を進めながら、宇部市を元気にする様々な施策を展開し、地域活性化と市民福祉の向上を目指し、スピード感をもって市政運営に取り組み、特に平成24年は、市制100周年に向かってスタートを切った年であり、数多くの新しい事業に着手し、手ごたえを感じた年でもありました。

本市の財政状況については、平成23年度決算において、財政の弾力性を測る目安とされる「経常収支比率」が、94.6パーセントとなり、平成22年度に引き続き98パーセント台からの改善を図っていますが、市税が減少傾向にある中、福祉関係経費が大幅に増加しており、依然として、予断を許さない状況が続いています。

このような中、平成25年度は、「総合計画前期実行計画」、「マニフェスト実施プラン」が、ともに仕上げの年度となります。雇用対策強化や再生可能エネルギーの導入、公共施設の耐震補強や建替えなど、新たに取り組まなければならない課題もあり、次期実行計画の策定を通じ、改めて原点に立ち返り、「元気都市」の実現に向けて、全力で諸事業を展開してまいります。

本市を取り巻く諸情勢

東日本大震災によって大きな打撃を受けた日本社会ですが、この未曾有の大災害から復興に向け、官民を挙げて全力で取り組んでいるところです。

内閣府発表の平成25年1月の月例経済報告では、安倍政権発足に伴う円安・株高の効果もあり企業の業況判断が若干改善したとの予測をもとに、「景気は弱い動きとなっているが、一部に下げ止まりの兆しもみられる。」とし、2月27日に発表された2月の月例経済報告においても、「景気は、一部に弱さが残るものの、下げ止まっている。」となっており、国における経済対策、金融緩和により、国内経済の先行きには明るい兆しが見えています。

また、安倍政権は、本格的大型補正予算と新年度予算とを合わせ、切れ目のない経済対策を実行する予算を編成し、景気の本格回復に向けた成長戦略を進める考えを示しています。

このような状況の中、本市においては、宇部公共職業安定所管内の有効求人倍率が、平成24年12月現在で、0.89倍となっており、同年4月の0.71倍から上昇傾向にあるものの、依然として低い水準であり、県内9地区中5番目となっています。

また、ルネサスセミコンダクタ九州・山口株式会社山口工場等の合理化が進むなど、雇用情勢においては大変厳しい局面に立たされています。

市政運営に関する基本的な考え方

このような状況のもと、高齢化の進展に伴って社会保障支出が増加する一方で、雇用環境も悪化しているなど、現役世代をとりまく状況は厳しいものがあります。

そこで、本市の将来を支える重要な役割を担う現役世代が継続的に活力を生み出せるように支援し、その活力を高齢世代にも還元するという流れを構築する必要があります。

加えて、本市の持続的な発展のためには、「成長を通じて、市民の安心・安全を守るための取組を充実すると同時に未来への投資を行い、それをまた成長につなげる。」という連鎖する社会を実現することが重要です。

このような認識のもとに、

  1. 景気・雇用・産業力の向上対策
  2. 環境への取組
  3. 保健・医療・福祉への取組
  4. 教育振興への取組
  5. 文化・スポーツの振興
  6. 安心安全な生活環境づくり

の6つの柱を中心に各種施策を推進していきます。

具体的には、このたび取りまとめた「宇部市産業力強化・雇用対策アクションプラン」に基づき、本市の特性と地域資源を生かした分野での取組や本市の抱える課題解決に向けた取組を進めていき、産業の裾野を広げ、産業力の強化を図り、雇用の創出に積極的に取り組むとともに、「宇部市再生可能エネルギー導入指針」を基本に、常盤公園のエコパーク化の推進をはじめとした、再生可能エネルギーの導入など、低炭素社会実現に向けたまちづくりに着手します。

さらに、乳幼児医療費助成制度の拡充、小・中学校を含めた公共施設の耐震化などの整備、文化振興財団の設立など、将来への投資を行い、各取組の相乗効果により、活力ある宇部市の実現を目指していきます。

平成25年度予算案の概要

このような考え方のもと、平成25年度の予算は、「行財政改革加速化プラン」の積極的な推進や、職員給料の特例的な一部カットの継続などにより財源を確保するとともに、編成過程で示された国の経済対策を最大限に活用し、「豊かな明日を拓く、安心・活力創造予算」として、平成24年度3月補正予算とあわせ一体的に編成しました。

その結果、平成25年度一般会計の予算規模は614億3000万円、平成24年度3月補正予算に計上した経済対策分をあわせると、約637億5500万円の規模となり、過去最大規模であった平成24年度当初予算と比較し、2.7パーセントの伸び率となっています。

地域経済の活性化をはじめとした地域の課題解決に結びつく134の新規事業に取り組み、「元気都市」の実現を目指します。

なお、後年度負担につながる市債については、経済対策分を含めると、合併特例基金創設に伴う市債発行等により、平成24年度当初予算と比較し増加していますが、市債残高は、前年度を下回る見込みとなり、健全化基調を保っています。

また、特別会計においては、8つの特別会計全体で385億7530万円、平成24年度当初予算と比較して、1.9パーセントの増となっています。

それでは、平成25年度予算の主な内容を御説明申し上げます。

1 景気・雇用・産業力の向上対策

景気・雇用・産業力の向上対策についてですが、「宇部市産業力強化・雇用対策アクションプラン」を基本に、「うべ中小企業元気プラン」や再生可能エネルギーの普及・促進に取り組むとともに、産業振興連携協定に基づく金融機関等との相互協力の強化、事業資金融資枠の拡充などにより、中小企業支援を強化します。

また、「宇部市雇用創造協議会」による「『うべまるごと元気』雇用拡大プロジェクト」を核とした6次産業化による新事業の創出、地域ブランド力の向上、未利用地域資源の有効活用、新たな観光交流の創出などに取り組むとともに、県の緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した市内中小企業における雇用のマッチングを進めます。

また、障害者の就労支援については、引き続き官民協働により障害者の雇用を拡充し、常盤公園において、「宇部市ときわ公園障害福祉サービス事業所」を新設し、障害者の福祉の増進と雇用の創出を図ります。

産業振興については、地域経済や市民生活に貢献する革新的な事業を認定する宇部市イノベーション大賞を呼び水に、トップセールスや国内最大規模のものづくり専門展へのブースの出展など、企業誘致活動を引き続き強力に推進します。

さらに、産学公連携による新産業創造として、再生可能エネルギー技術関連の新技術・新商品、特に地元産、メイド・イン・ウベのペレットストーブ製造の研究開発支援を行うとともに、バイオマスタウン構想の推進、環境産業の創造など、新技術の実用化、事業化、起業化を推進します。また、ものづくりにおける高度熟練技能を継承する後継者を育成するための支援を行います。

中心市街地の賑わい創出については、地元1次産品を加工した商品等を販売するアンテナショップ事業に取り組むとともに、商店街が抱える課題の解決に向けた取組への支援や、商店街等が実施する賑わい創出イベント、空き店舗対策や、チャレンジショップの開設の支援を行い、元気な商店街づくりを推進します。

観光ビジネスの創出については、観光交流を産業振興の重要な柱と位置付け、コンベンションの誘致や産業観光に積極的に取り組むとともに、「『うべまるごと元気』雇用拡大プロジェクト」と連携しながら、地域資源を活用したグリーンツーリズム、エコツーリズム、まち歩きなどを取り入れたうべふるさとツーリズムによる旅行商品の開発など、新たな展開を図ります。

また、山口宇部空港については、全日空便の増便と平成24年12月に開港した岩国錦帯橋空港との連携企画等により、さらなる利用促進を図るとともに、県や関係機関と連携して国際チャーター便の運航促進に努め、観光ビジネス交流を加速させるなど、本市の地域資源を活用した諸施策を展開することにより、交流人口を増加させ、観光面のみならず、商業やサービス業など多面的な産業振興を図り、地域経済の活性化につなげていきます。

農林水産業については、競争力のある「攻めの農林水産業」を展開するため、経営基盤の整備を進めるとともに、農業の担い手の確保・育成に向け、就農希望者への研修指導や青年就農給付金の給付などによる就農支援の推進、企業参入の促進、集落営農の法人化などに積極的に取り組みます。

また、市街地などの小規模農家で生産した農作物の販売や集荷を支援するとともに、耕作放棄地対策として、農作物や景観作物の栽培などを支援し、再生利用に向けた活動を促進します。

漁業については、安全で円滑な労働環境を確保するため、漁港施設を整備するとともに、老朽化した施設の長寿命化を図るための計画策定を行います。

また、担い手を確保・育成するため、新規就業希望者への研修指導や研修を終えた者に対する生産基盤の確保、赤潮等により減少した漁業資源の増殖を図るため、放流する稚魚の種類を増やすなどの支援を行います。

地元農林水産業の振興のため、安心安全な農産物の生産拡大に取り組むとともに、地元農林水産物の消費拡大に向け、生産・加工・販売体制づくりや、新たな加工品の開発を支援し、地産地消外商を推進します。

そのため、県外を含めた新たなマーケットの開拓を支援し、特に、平成24年9月に萩市と共に東京の築地に開設した、アンテナショップ「Bucch-ine(ブッチーネ)」において、水産物を中心とした本市特産品の販路拡大に取り組みます。

さらに、6次産業化の促進により、宇部産品の魅力をアピールする「うべ元気ブランド」については、新たな製品認証を行うとともに、既に認証した製品も含め、販路の拡大を図ります。

地元食材を使用した学校給食の充実については、生産者、JA等の関係機関等との連携や、うべ元気ブランド認証製品の活用により、地元食材の使用率の向上を図ります。

常盤公園においては、平成26年度の一部オープンを目指して、動物園ゾーンのリニューアル整備工事に継続して取り組むとともに、平成24年度から整備を開始した「花いっぱい運動記念ガーデン」や、噴水池の一部を改修して子どもたちが水遊びできる「じゃぶじゃぶ池」の整備を進めながら、イベント、企画展、食やお土産の充実により魅力を高め、効果的な情報発信により、さらなる集客力のアップを図ります。

2 環境対策

環境への取組についてですが、引き続き自然共生社会、省エネ・低炭素社会、循環型社会の実現に向けた取組を実施し、持続可能な社会づくりを目指します。

まず、自然共生社会の実現に向けた取組については、「宇部市生物多様性地域連携保全活動計画」の策定を契機に、多様な主体の参画によって生物多様性応援団の活動を活発化させるとともに、定住促進、新規就農支援、ツーリズムや新たなブランドの創出、間伐や竹林整備、また耕作放棄地対策など、計画区域内の保全活動を実施します。

次に、省エネ・低炭素社会の実現に向けた取組については、「宇部市再生可能エネルギー導入指針」に基づき、「(仮称)宇部市再生可能エネルギー推進条例」の制定に向けた取組を行うとともに、市民共同による太陽光発電設備の公共施設等への導入推進や、事業者によるメガソーラー事業参入の促進に取り組みます。

また、省エネ対策として、引き続き市内企業の「エコアクション21」の認証取得促進、緑のカーテン事業、小学校校庭等の芝生化、節電キャンペーンなど家庭やオフィスでの省エネルギーの推進に取り組みます。

さらに、新たに「再生可能エネルギー森の再生事業」に取り組みます。これは、再生可能エネルギー設備の設置によって得られる収入を、他の再生可能エネルギー設備への再投資や里地・里山の整備費などに充てるもので、環境保全につながる資金と環境価値との循環を目指します。

平成25年度は、公共施設等への太陽光発電設備の設置、ときわミュージアムへのペレットボイラーの設置、市有林の間伐と間伐材の燃料化、ペレットストーブの早期導入、新たなCO2排出量認証制度の適用に取り組みます。

次に、「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」の施行に伴い、「都市機能の集約化と公共交通の利用促進」、「建築物の省エネ化やエネルギーの効率的利用」や「みどりの保全・創出」を柱に「宇部市地球温暖化対策実行計画」に適合した官民一体となった環境への負荷の少ない、コンパクトなまちづくりを進めるため、「低炭素まちづくり計画」の策定に取りかかり、その一環として、「低炭素建築物新築等計画」の認定制度も実施します。

次に、循環型社会の実現に向けた取組については、燃やせるごみの削減とリサイクルの推進を図るため、生ごみ・草木(くさき)リサイクル実証事業を実施するとともに、使用済小型電子機器等のリサイクルに取り組みます。併せて、生ごみの水切り運動を展開し、ごみの減量化を強力に推進していきます。

また、引き続き段ボールコンポストの普及促進、子供服や絵本等のリユース、廃食油、古着・古布、学校給食残渣のリサイクルなどを推進し、限りある資源を有効利用していく資源循環のまちづくりを目指します。

これらの取組の効果を高め、持続可能な社会づくりをさらに推進していくために、国内の環境先進自治体と交流・連携を図るとともに、環境学習の新たな取組として、平成24年7月に開催した「中国・九州地区環境先進自治体首長サミットin宇部」で共同宣言した、水俣市、対馬市とともに、子どもたちを対象とするスタディツアーを実施します。

常盤公園については、平成24年10月に経済産業省から「ときわ公園次世代エネルギーパーク計画」が認定されたことから、風力発電、太陽光発電設備の整備、電気自動車の導入などに積極的に取り組み、常盤公園のエコパーク化をさらに推進して、観光資源、教育拠点として充実を図ります。

さらに、環境地域通貨「エコハ」を創設し、地域通貨をインセンティブとして市民・事業者の環境配慮行動を促進することで環境のまちづくりに弾みをつけるとともに、コミュニティ活動の活性化や協働のまちづくりを推進します。

3 保健・医療・福祉への取組

保健・医療・福祉への取組についてですが、誰もが気軽に集え、様々な交流や活動を行う地域福祉の拠点「ご近所福祉」を、引き続き整備・拡充します。

安心して子育てできる環境づくりについては、引き続き子育て支援センターやつどいの広場などの地域子育て支援の拠点施設を拡充するとともに、黒石・上宇部校区への地域学童保育施設の建設により適切な保育環境の確保を図り、当該施設を子育て支援活動の場として複合的に活用するなど、地域の子育て支援活動の充実に努めます。また、社会全体で子育てに取り組む子育て文化を創造していくことを目的として、新たに「子どもフェスタ」を開催します。

児童虐待への対応としては、子どもを守る地域のネットワークを強化するとともに、1歳6か月児や3歳児の健康診査未受診者宅への訪問等による安否確認を行い、未然防止や早期発見に努めます。

また、安心して妊娠・出産できる環境を整備するため、医療機関等と連携しながら、妊産婦やその家族を対象とした、早期からの相談支援体制として「妊娠中からの早期母子支援システム」をさらに充実させ、新たに赤ちゃん訪問員等の乳児訪問時に絵本を手渡しする「ブックスタート事業」を開始します。

乳幼児医療費助成制度については、乳幼児が安心して医療機関にかかることのできる制度として、自己負担制度を廃止するとともに、3歳未満児の所得制限を廃止して、支援の充実を図ります。

障害者福祉については、自立に向けた就労や社会参加を促進するとともに、生活支援を充実するなど、障害のある方が地域の一員として、いきいきと安心して暮らせるまちづくりを推進します。

高齢者福祉については、高齢者総合相談センターを再編し、新たに東部・西部・中部の各圏域に2箇所ずつ、計6箇所設置するとともに、高齢者に対する総合支援機能の一元化を実現するため、介護保険課と高齢福祉課を統合した、高齢者総合支援課において、地域での包括ケア体制の実現を目指します。

また、独居・認知症高齢者の見守り体制の充実に向け、地域で見守りを行う協力事業所を募集するなど「(仮称)宇部市見守り愛ネット」を創設します。

地域医療対策については、救急医療を支える人材確保等の課題に取り組むとともに、市民への適切な受診の啓発など、地域医療・救急医療の充実に向けた体制強化を図ります。

また、がん検診については、乳がん検診無料クーポン券の受診対象年齢を拡大するとともに、特定健康診査とがん検診の同時実施などにより、受診率の向上を図ります。

4 教育振興への取組

教育振興への取組についてですが、現在策定を進めている「宇部市教育振興基本計画」に基づき、本市の教育の中長期的展望を示すとともに、様々な取組を計画的かつ効果的に実施します。

また、より地域と密着し、広く地域住民の意向が施策に反映できるよう、移動教育委員会の開催に取り組みます。

子どもたちのより良い教育環境を整備していく小中学校の適正配置の取組については、見初小学校と神原小学校、小野中学校と厚東中学校の統合について、関係校区の地域住民と協議を進めます。

学校教育の充実については、「学び合い」のある授業を通して「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」を育む教育を一層推進します。

また、全小中学校で、地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールに取り組むとともに、小学校の図書館機能の充実と読書活動等を推進するため、学校図書館等支援員を配置します。

特別支援教育については、関係機関と連携した就学相談・就学指導を行うとともに、サポート教員等を配置するなど、乳幼児期から切れ目のない一貫した支援に取り組みます。

いじめや不登校の問題については、臨床心理士である学校安心支援スーパーバイザーに加えて、新たにスクールソーシャルワーカーを配置し、問題を抱える児童生徒の家庭への支援を行います。

学校施設の耐震化については、常盤小学校・西岐波中学校の校舎2棟、平成24年度補正予算による上宇部小学校など、校舎7棟の計9棟の耐震補強工事を実施します。

これにより、平成25年度末には、小中学校施設の耐震化率は76.9パーセントになる見込みです。今後は、平成27年度での耐震化率100パーセントを目指し、東岐波小学校ほか体育館8棟の改築実施設計等にも取り組みます。

また、通学路の安全確保については、地元関係者や警察、道路管理者等と連携・協働して、見守り活動の充実や危険箇所の改善に取り組みます。

新学校給食センターについては、食育の推進、食物アレルギー対応、周辺環境に配慮した給食調理場として、平成26年9月の供用開始を目指し、建築工事を実施します。

5 文化・スポーツの振興

文化・スポーツの振興についてですが、文化の振興については、民間の活力を生かした官民協働の文化振興を推進する中心的組織として、「(仮称)宇部市文化振興財団」を設立することとし、宇部市文化振興財団設立準備室を設置してその準備を進めます。

「UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」については、第25回展の開催年となることから、彫刻展を核とする総合的なアートイベントとして、中心市街地の商店街などを舞台とした市民参加型の芸術イベントや、賑わい創出イベントを多数、同時期に開催し「文化の産業化」による中心市街地の活性化を図るとともに、様々なジャンルの芸術・文化・学習イベントを展開し、「アートのまち 宇部」としてのブランド化を目指します

「宇部市学びの森くすのき」については、本市の歴史や伝統的文化の学習ができる、市民の学習・文化・創造活動の拠点として5月に開館します。

施設の運営に当たっては、市民サポーターと協働して、講座や展示会などを開催し、多くの市民に利用される交流の拠点となるようソフト事業の充実を図ります。

スポーツの振興については、「宇部市スポーツ振興計画」が策定から3年目を迎えることから見直しに取り組みます。

また、宇部カップ高等学校選抜ソフトテニス大会などの大規模大会の開催支援、スポーツ合宿の誘致など、スポーツ交流人口の増加と地域社会の活性化を図ります。

6 安心安全な生活環境づくり

次に、安心安全な生活環境づくりについてですが、災害に強いまちづくりについては、平成18年の消防組織法の改正後としては県内初であり、全国でも7番目の消防広域化組織が平成24年度にスタートしました。この常備消防の広域化や宇部消防団と楠消防団の統合による消防力の強化、地域や次世代の防災力強化や、災害時要援護者避難支援制度の拡充、避難所の開設体制の充実などのソフト対策にあわせ、学校施設の耐震化、危険ため池の整備、海岸高潮対策などのハード面の整備に取り組み、ソフト・ハード両面から防災・減災対策を推進します。

都市環境の質的整備については、安全性や利便性の向上に重点を置き、「あんしん歩行エリア」内の整備に続き、歩道の改良にあわせた段差解消や、路肩・横断歩道のカラー化のほか、岩鼻中野開作線や鍋倉草江線、西宇部妻崎線などの道路整備、西岐波市営住宅の建替え、その他インフラの整備を計画的に行うとともに、市民力による道路整備事業や、技術系市職員OBによる、橋梁をはじめとする道路管理施設の点検サポーター制度の拡充に取り組みます。

船木ふれあいセンターについては、耐震補強工事を実施するための設計を行います。

生活交通の活性化・再生については、高齢社会における買物弱者対策等として、民間団体と協働しながら、引き続き移動手段の確保などに取り組みます。

中山間地域集落の支援については、集落支援員を増員し、市民との協働により、地域の実情に応じた集落の維持・活性化に向けた活動を積極的に進めます。

市民が安心して暮らすための取組については、自治会や通学路におけるLED防犯灯の設置に対する支援や、多重債務など消費生活相談をはじめとする市民相談機能の充実、消費生活リーダーの育成を図ります。

また、人権や男女共同参画にかかる施策を総合的かつ効率的に推進するため、人権推進課と男女共同参画課を、人権・男女共同参画推進課に統合し、人権教育・啓発事業を積極的に推進するとともに、近年増加している配偶者等からの暴力被害者への安全確保など、相談体制の充実を図ります。

その他地域振興については、地域の特性を生かした振興を図る事業の財源として合併特例基金を創設します。

次に、市役所本庁舎については、昭和33年の建設以来、増改築を重ねてきましたが、窓口等の狭あい化による市民サービスへの支障や、建物・設備の老朽化、耐震性能の不足による危険性が指摘されており、災害時の防災拠点としての機能が果たせない状況も考えられます。

このため、平成24年度末に完成する「公共施設白書」のもと、本市が所有する公共施設全般の今後のあり方も踏まえながら、建替えについて議会や市民とともに検討していきます。

また、市民サービスの向上と業務の効率化を図るため、新基幹情報システムの本格稼動、市税・国民健康保険料のコンビニ収納の導入を行うとともに、引き続き市役所本庁1階にフロアマネージャーを配置し、親しみやすい市役所を目指します。

「ふるさと元気懇談会」については、市民からまちづくりや地域の課題について提案を受け、参加者全員で議論を深めることにより、地域の活性化と市政の推進に生かすとともに、協働のまちづくりを進める提案については、助成金の交付制度を新設します。

7 公営企業

公営企業についてですが、社会情勢の変化に伴う各料金収入の減少などにより、依然として厳しい経営環境にありますが、経営改革を進め、効率的な経営体制の構築を目指すとともに、市民サービスの向上に努めます。

水道事業については、安全で安心な水道水の安定供給を持続するため、配水管整備事業を推進し、水道管の耐震化率の向上と、経年化・老朽化した浄水施設の更新に取り組みます。

下水道事業については、引き続き「MICS(ミックス)事業」に取り組むとともに、増加する管渠の改築更新事業に対応するため、下水道維持課と下水道建設課を統合し、下水道整備課とします。

また、水道事業部と下水道部では、上下水道の効率的な運営を図るため、平成26年4月からの組織統合に向けて準備を進めます。

ガス事業については、事業譲渡スケジュールに沿って、事業継承法人を決定し、使用者、市民それぞれが有益で、地域経済・社会の活性化につながるよう、民営化への円滑な移行に取り組みます。

交通事業については、安全、安心な運行とバス利用の需要拡大に努めるとともに、利用者の視点に立った利用しやすいバスを目指し、路線の再編や、路線番号制度の導入に取り組みます。

8 土地開発公社

土地開発公社の経営健全化については、現在、関係機関と調整を進めており、平成26年3月末の解散に向けて、引き続き取り組みます。

おわりに

以上、申し上げました事業をはじめとする、諸施策の執行に当たりましては、事務事業の総点検などにより、絶えず検証と見直しを行い、効果を上げていきます。

平成25年は、私にとりまして1期4年の任期を迎える節目の年です。先人たちが築き上げた“ ふるさと宇部” を、将来にわたって揺るぎない存在感を示し、輝き続ける「宇部市」とするため、「総合計画」の求める都市像である「みんなで築く 活力と交流による元気都市」の実現に向けて、今後も全身全霊を込めて、市政に取り組んでまいります。

市議会議員各位をはじめ、市民の皆様におかれましては、これまで申し述べました、平成25年度の施策提案と当初予算案に対しまして、深い御理解と御賛同を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、平成25年度の施政方針といたします。

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