平成30年度(2018年度)施政方針

ウェブ番号1007060  更新日 2021年2月25日

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平成30年2月28日

宇部市長 久保田后子

平成30年3月市議会定例会の開会にあたりまして、平成30年度の市政運営に関する基本的な考え方と予算案の概要について申し述べ、市議会並びに市民の皆様の御理解と御協力をお願いするものです。

はじめに

私は、平成29年7月に、市長として引き続き3期目の市政を担うこととなり、市制施行100周年という大きな節目を間近に控える中、改めてその重責を受け止め、決意を新たにしたところです。

平成21年の市長就任以来、「市民と語る、考える、動く」、これを市政運営の基本姿勢として、第四次宇部市総合計画に掲げる、求める都市像「みんなで築く活力と交流による元気都市」を目指し、様々な課題に向き合い、本市が伸びゆくための諸施策を 市民とともに展開してきました。

この結果、「第四次宇部市総合計画中期実行計画」に掲げた目標数値については、ほぼ達成する見込みで、産業団地への企業立地や、ときわ公園の活性化等による観光客数の増加、高齢者や障害者の福祉増進、子育て支援や教育の充実、さらに、市民の安心安全な暮らしの確保など、市政全般の底上げを図ることができたと考えています。

また、本市が直面する人口減少・超高齢化への対策として、平成27年10月に「宇部市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、この計画を基に、「しごと」と「ひと」の好循環の確立に向けた、様々な施策に取り組んでいます。

これにより、計画の中間年となる平成29年の本市の人口は、約16万7千人となり、人口ビジョンにおいて目標とする将来展望人口を上回る状況となっていますが、依然として減少は続いており、引き続き効果的な施策を推進していく必要があります。

なお、これら施策推進の基盤となる財政状況については、プライマリーバランスの均衡等に留意したことで、財政の健全性を示す実質公債費比率及び将来負担比率のいずれも、私の市長就任当初と比べ大幅に改善しているところです。

3期目の市政におきましても、引き続き、これまでの取組や成果を本市の新たな魅力創出とさらなる発展に繋げることで、暮らしやすく、そして力強く伸びていく宇部を創っていきたいと考えています。

本市を取り巻く諸情勢

一方、本市を取り巻く諸情勢として、内閣府発表の平成30年1月の 月例経済報告では、「景気は、緩やかに回復している。」との見方が示されていますが、少子高齢化や人口減少といった構造変化によって、消費や生産など、経済活動において地域間でばらつきが生じており、地方における経済環境は、引き続き厳しい状況が続くものと考えています。

また、人口減少の動向として、国においては、少子高齢化の進行等に大きな変化はなく、人口減少に歯止めがかかるような状況には至っていないとの認識のもと、地方自治体とともに、「生産性革命」や「人づくり改革」など、地方創生の深化に取り組むこととしています。

本市としても、国・県と一層連携を図りながら、危機感を持って、人口減少の克服と地域経済の成長力の確保に取り組んでいく必要があります。

市政運営に関する考え方

さて、平成30年度は、「第四次宇部市総合計画後期実行計画」がスタートする年となります。

市制施行100周年という大きな節目を目標年次とする この計画は、前期実行計画、中期実行計画に続く、総仕上げの計画であることはもとより、人口減少・少子高齢化や経済のグローバル化など、本市を取り巻く社会経済情勢が変化する中、様々な課題に対応し、現在を生きる私たちが、次世代に“希望あふれる未来”を繋ぐ計画となります。

こうした認識のもと、後期実行計画においては、中期実行計画の検証や、市民からの提案等を踏まえながら、社会経済情勢の変化に的確に対応することに留意して策定し、今後チャレンジする5つのまちづくりのテーマとして、「産業力強化・イノベーション創出のまち」、「生きる力を育み、子どもの未来が輝くまち」、「健幸長寿のまち」、「共に創る魅力・にぎわいあふれるまち」、そして、「安心・安全で、快適に暮らせるまち」を掲げています。

今後、これらのテーマに沿った様々な施策を、市民をはじめとした、多様な主体との連携を深めながら、オール宇部市で着実に実践していきたいと考えています。

また、本市が激動する社会経済情勢の中で、将来にわたって成長力を確保していくためには、本市の特性を踏まえた独創性のある取組を、積極的に進めていくことが重要となります。

このため、後期実行計画においては、これまで本市が発展を遂げる過程の中で脈々と受け継いできた産業や文化、地域特性など、本市の強み・誇りとなる取組・資源を、さらに深化・発展させることとし、関連する施策・事業を、4つの重点プロジェクトとしてパッケージ化して、戦略的・部局横断的に推進していきます。

まず、1点目は、「ICT・地域イノベーションの推進」です。

今後、新たな「第4次産業革命」社会を迎える中で、IoTやAI、ビッグデータなど、高度化したICTを活用した製品やサービスの開発が進むなど、地方都市においても広範なビジネスチャンスが生まれるものと思われます。こうした状況を踏まえ、これまで取り組んできた産業振興策に加え、ICT・IoT等を積極的に取り入れた製品開発や 生産性の向上など地域産業の変革と、それを支える起業支援や新事業創出の場づくり、多様な働き手の確保に取り組みます。

2点目は、「コンパクトシティ・共生型包括ケアの推進」です。

人口減少や高齢化の進展に対応していくうえで、効率的で健全な都市経営を目指す「コンパクトなまちづくり」と、住み慣れた地域での生活を支える「地域支え合い包括ケアシステム」を相互に連携させた、持続可能で暮らしやすい地域共生型のまちづくりを進めます。

3点目は、「ガーデンシティの推進」です。

本市が公害を克服し、工業都市として発展を遂げる過程で取り組んできた「緑と花と彫刻のまちづくり」の新たなステージとして、市街地の整備に合わせた花の回廊づくりや、市民・企業等と一体となった花づくりや緑化運動、産業化の促進など、「ガーデンシティうべ」を目指した取組を全市的に展開し、他都市に誇れる、魅力ある都市空間を形成していきます。

4点目は、「地域エネルギー・バイオマス産業都市の推進」です。

本市では、環境エネルギー産業の育成振興を図るため、平成28年に宇部市バイオマス産業共創コンソーシアムを設立し、多様な主体が連携して事業化に向けた取組を進めており、また、平成29年10月には、内閣府をはじめ7府省から、「バイオマス産業都市」の認定を受けたところです。

今後とも、環境先進都市として、宇部市バイオマス産業共創コンソーシアムを中心に、地域に存在するバイオマスを活用した産業の創出と、資源循環型社会の形成、また、再生可能エネルギーを有効活用するスマートコミュニティの推進に取り組みます。

これらの取組をはじめ、後期実行計画に掲げた諸施策を、より効果的にスピード感をもって展開していくため、従来の枠組みを超えたプロジェクト達成型の組織を構築するとともに、「共創」という視点で、これまで以上に、部局間の連携や施策の融合を図り、政策効果を高めていきます。

また、事業の執行にあたっては、ICTを活用した事務の効率化を図りながら、職員力の向上や高度な専門知識を備えた外部人材の活用を進めるなど、行政運営の質的向上にも取り組みます。

なお、計画の推進にあたっては、持続可能なまちづくりに向け、国が平成28年12月に策定した「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」も踏まえながら、諸施策に取り組んでいくこととします。

引き続き、市民と語り合い、ともに実践すること、また、柔軟に発想し、挑戦し続けることを基本にして、職員と一丸となって、活力と魅力のあるまちづくりを進め、来る市制施行100周年に繋げていきたいと考えています。

平成30年度予算案の概要

こうした考えのもと、平成30年度は、行財政改革加速化プランの実践並びに国・県等の補助制度や基金の活用などにより財源確保に努め、後期実行計画や総合戦略に位置づけた事業に加え、公共施設の長寿命化・耐震化事業を着実に進め、次世代に希望あふれる未来を繋ぐ「チャレンジ共創予算」とし、一般会計の予算規模は、635億2千万円となりました。

これは、平成29年度と比べ、7億4千万円の増加となり、平成22年度以降、9年連続で600億円以上の予算規模を確保することができました。

一方、市債残高は、一般会計で約667億5千万円と、平成29年度末からは約4億4千万円減少する見込みです。

また、財政調整基金の取り崩しも平成29年度に比べ3千万円減少させるなど、中長期的な財政基盤の確立にも留意したところです。

なお、特別会計の予算規模は、9つの特別会計全体で404億7百万円となり、平成29年度と比較して約41億2千万円、率にすると9.2パーセントの減となっています。

それでは、平成30年度予算の主な内容を、後期実行計画のまちづくりのテーマに沿って、御説明いたします。

1 産業力強化・イノベーション創出のまち

本市には、山口大学をはじめとした高等教育機関や研究機関が集積し、また、工業都市として発展する過程で培った高い技術力があります。

このような地域力にさらに磨きをかけ、起業・創業や事業活動展開の最適地として、また「イノベーションが起こるまち宇部」として、様々な取組を進め、人口減少社会を生き抜く、産業都市に繋げていきたいと考えています。

このため、新たに「うべ産業共創イノベーションセンター志」を設置し、「人・仕事・土地・物件」などの一元化した情報の提供や、起業・創業、事業承継を始めとする経営に関するフォローアップ等を行うとともに、山口大学や県産業技術センターなどの学術研究機関・産業支援機関との連携により、ICT・IoTを活用しながら、社会的課題の解決や新ビジネスの創出に取り組みます。

また、これらの取組を促進するため、専門家の個別支援と併せ、実践的なICTの活用や、ICT・IoT分野に特化した「メイド・イン・ウベものづくり」への支援を行うとともに、中小企業・小規模事業者の高度化・高付加価値化に繋がる技術・サービスの導入を促進し、事業者の生産性の向上を図ります。

特に、本市での起業・創業希望者に対しては、ふるさと起業家支援制度により創業時の経済的な負担を軽減するとともに、「うべ産業共創イノベーションセンター志」のスタートアップ機能などを中心に、新たな事業創造や起業家相互の交流促進などの支援を行います。

次に、「地域経済・雇用を支える地元産業の発展」として、まず、中小企業の振興については、事業資金融資制度の利用拡大に向け、審査期間の短縮による早期融資の実現や、生産性の向上に繋がる設備資金の貸付金利優遇により、円滑な資金調達と経営基盤の強化に取り組むとともに、金融機関と連携した販路開拓、商店街のテナント誘致や共同利用施設の整備など、商業資源の積極的な活用を支援します。

また、企業等の誘致については、トップセールスをはじめとした企業訪問の実施や、用地取得奨励金並びに雇用奨励金等の事業所設置奨励制度を活用し、残り少なくなった産業団地への誘致活動を展開するとともに、産業団地以外の空き工場や未利用地への誘致にも取り組みます。また、中心市街地等へのサテライトオフィスの誘致活動にも取り組んでいきます。

さらに、山口県央連携都市圏域での取組の一環として、平成29年11月に設立された山口・宇部テクノパーク連絡協議会と連携し、産業団地における操業環境の向上や、新たな価値の創出に取り組み、同圏域における経済循環の拡大を目指します。

また、国際バルク戦略港湾として整備が進められている宇部港については、今後の石炭需要や貨物取扱量の増加を見据え、国や県に対して、事業の推進を要望するとともに、港湾計画の改訂についても県と協力して取り組んでいきます。

次に、「地域特性を生かした観光・コンベンションの振興」については、多様化する観光ニーズに対応し、「稼げる観光」・観光産業の振興を図るため、観光の舵取り役となるDMOの体制づくりを支援するとともに、DMOを中心に、関係団体や事業者などと連携し、ときわ公園をはじめとした本市の地域資源を生かした観光まちづくりや、学会並びにスポーツ大会などのコンベンション誘致に積極的に取り組んでいきます。

また、県や関係機関と連携して、韓国仁川国際空港との定期便や国際チャーター便を活用し、山口宇部空港の更なる利用促進に繋げるとともに、外国人観光客の受け入れ環境の整備を図ります。

次に、「農林水産業の振興・6次産業化の推進」についてです。

農林業については、まず、市内全域に220haある遊休農地対策として、先行して、集団的な農地及び幹線道路沿いの遊休農地の解消に取り組みます。その手法として、営農を再開することに対する支援に加え、農地中間管理機構や農用地借受奨励助成金を活用した多様な担い手による農地の集積を促進します。

さらに、国の直接支払い事業により農地の保全を図ることで、遊休農地の発生を抑制します。

また、新たな就農者を育成するため、新規に農業参入する企業や集落営農法人への支援に加え、就農相談から、研修や就農時の施設等の整備、営農指導、販路開拓に至るまで、一貫した支援を行います。

さらに、農林業へのICT・IoTを活用した次世代型農業の実証に着手することにより、技術の向上や働き方改革を推進し、担い手の確保とともに、農業所得の向上に繋げます。

漁業については、国・県及び漁業協同組合と連携して、長期に渡る漁業技術の研修や、就業に必要な生産基盤の整備、就業後の経営安定化の支援を行うことにより、新たな担い手の確保を図ります。

また、県と連携して魚礁整備を行うほか、種苗放流などの資源保護活動を支援するとともに、漁業経営の安定を図るため、漁業協同組合が運営する水産物直売施設の販路拡大やICTの導入、老朽化した設備の改修等の取組を支援します。

また、6次産業化の推進については、「うべまるごと元気ネットワーク」を活用した異業種交流により、民間事業者間の連携を促進するとともに、1次産品の戦略的な作付に取り組み、新たな加工品の開発を支援します。

さらに、本市の特色ある1次産品を活用した料理コンテストの規模を、拡大して実施することで、市内の飲食店や宿泊施設で提供するメニューの開発に繋ぐなど、食の魅力づくりを推進します。

戦略作物については、特にオリーブの産地化を加速するため、生産者と関係団体に専門家も交えた「産地化推進協議会」を立ち上げ、宇部といえば「オリーブのまち」と言われるよう、全市的に広く普及啓発や商品化の検討などを行うことで、住民参加型の産地化に取り組みます。

また、「お茶のまち」として 市民に定着を図るため、小中学校及び大学等と連携したお茶の普及啓発や「お茶による健康づくり」をテーマとした講座を開講するとともに、遊休茶園を再生し、生産を拡大する新たな担い手の確保や、加工品の開発並びに新たな販路の開拓など、包括的支援を行います。

さらに、消費者が求める、より安心・安全な農産物の生産を拡大するため、環境保全型農業や有機農業の取組に対して支援するとともに、地元農産物の地産地消や首都圏を中心にICTを活用した外商活動を展開し、生産者の所得向上を図ります。

また、「うべ元気ブランド」については、認知度の向上及び販路拡大を図るため、事業者のICT活用に向けた支援や安心・安全な取組に関する表示を行うなど、ブラッシュアップをしていきます。

次に、「バイオマス産業都市・スマートコミュニティの推進」については、バイオマス産業都市の推進に向けた取組として、バイオマス産業共創コンソーシアムの各プロジェクトチームを実行組織とし、生ごみや紙ごみ、紙おむつ等のバイオマスを活用し、循環型社会の形成と新たなビジネスモデルの創出に取り組みます。

また、竹資源の利活用推進については、条件整備や生産者等に対する支援として、山口うべ竹エコシステム協議会による循環システムの推進や、竹材の安定供給に向けた竹林及び作業道の整備を促進するとともに、竹材活用エリアを拡大するための森林整備計画の改定に取り組みます。

再生可能エネルギーについては、公共施設への導入や小水力発電など、新たな再生可能エネルギーの導入を促進します。

また、スマートコミュニティの推進については、平成29年度策定の宇部市分散型エネルギーインフラプロジェクト推進計画に基づき、地域レベルでエネルギーを有効活用するシステムのビジネスモデル創出に取り組みます。

次に、「多様な雇用機会の創出」として、女性や高齢者などの意欲のある求職者に対して、ワンストップで就労相談や無料職業紹介を行う「(仮称)多様な働き方確保支援センター」を新たに設置し、求職者のニーズに応じた多様な働き方を支援するとともに、中小企業・小規模事業者の人材確保対策に取り組みます。

また、障害者に対しては、一人ひとりの特性や能力に応じた適切な支援を行い、一般就労や所得増加に繋げるなど、ステップアップに向けた取組を行います。

そのほか、様々な理由で生活に困窮している人や長期間就労から遠ざかっている人など、支援を必要とする人を対象にした、社会参加や就労支援の仕組みづくりを進めます。さらに、農業と福祉が連携し、人材のマッチングを行うことで、生きがい就労や農業の担い手確保に繋げていきます。

2 生きる力を育み、子どもの未来が輝くまち

まず、「妊娠・出産・育児支援の充実」として、子育て拠点施設である こどもすくすくプラザのプレイルームと、子育て世代包括支援センター「Ubeハピ」において、妊娠・出産から子育てにわたる不安感や負担感の解消に向けた相談機能の強化に取り組みます。

また、子育て世代の経済的負担の軽減を図り、全ての子どもが等しく、安心して医療機関を受診できるよう、乳幼児医療費助成制度における所得制限を撤廃します。

さらに、B型肝炎などの定期接種に加えて、ロタウイルスやおたふくかぜなど、任意の予防接種に対する本市独自の助成をするなど、予防接種の推進に積極的に取り組むことで、子どもを感染症から守り、健やかな成長を支援します。

次に、「安心して子育てできる環境づくり」については、保育園における待機児童の解消や、増加傾向にある学童保育ニーズに対応するため、実施施設を適切に確保するとともに、国の基準に基づき、保育士や学童保育指導員の処遇を改善することによって、人材の確保と定着を図り、安定した良質な保育環境を提供します。

特に、私立保育園については、経営の安定化に向けた新たな支援制度を創設するとともに、学童保育においては、発達障害等のある児童にきめ細かく対応できるよう、指導員等の追加配置に対し、支援を強化します。

また、生まれ育った環境に左右されず、子どもたちが夢を描きながら健やかに成長するよう、小中学校において「子ども夢教室」を実施するとともに、夢の実現に繋がる活動を助成する「子ども笑顔サポート推進事業」を実施し、子どもたちのチャレンジを応援します。

また、経済的に困窮した世帯の中学生を対象に、家庭学習の補完としての学習支援を行い、学習意欲と学力の向上を図り、将来の進路選択の幅を広げるとともに、地域や関係機関等と連携・協力して、世代間交流や学習支援、食事の提供などを行う「子どもの居場所づくり」に取り組みます。

次に、「確かな学力・豊かな心を育む教育の推進」については、これまで取り組んできた「学びの創造推進事業」の取組をさらにステップアップさせ、新学習指導要領に示された、「主体的、対話的で深い学び」、いわゆる「アクティブ・ラーニング」の視点に立った授業改善に取り組みます。

また、コミュニティ・スクールの機能を活用して、子どもたちと地域住民が一緒に学ぶことのできる「放課後学習教室」の開催、小中連携による「合同研修」や「9年間のカリキュラム作成」などに取り組みます。

中学校の部活動指導員制度については、専門家の指導による競技力・技術力の向上を図るとともに、教員が授業等の教育指導に専念できる環境を確保するため、平成29年度の実績を踏まえ、制度をさらに拡充していきます。

いじめの問題については、いじめに悩む児童生徒をなくすため、平成29年10月に改定した「宇部市いじめ防止基本方針」に基づき、「いじめは絶対に許されない行為である」という認識のもと、未然防止や早期発見、早期対応に取り組みます。

また、不登校対策については、「宇部市不登校防止アクションプラン」に基づき、新たに「不登校0(ゼロ)プロジェクト」を展開し、小学校の早い段階からの支援や若手教員を対象とする研修の実施により、不登校の未然防止・早期対応を推進します。

特別な配慮が必要な子どもたちへの支援としては、小中学校へのサポート教員等の配置や特別支援教育支援ボランティアの活動を推進します。また、発達障害等相談センター「そらいろ」との連携を図りながら、個別の教育支援計画の作成・活用を推進するとともに、発達障害児等への保育所、幼稚園及び小中学校の支援体制を充実させることにより、就学前から卒業後に渡る切れ目のない支援を強化していきます。

さらに、医療機関等と連携して実施している病院内学級については、短期入院や退院後に在宅で療養している児童生徒にも対象を拡大するとともに、タブレット端末を活用し、病院内において在籍校との交流学習を推進するなど、けがや病気で入院している児童生徒等の教育の充実を図ります。

次に、「社会の変化に対応した特色ある教育の推進」として、未来を担う子ども達の生きる力を育むために、英語教育やICT教育など、社会情勢の変化を踏まえた特色ある教育を実施します。

英語教育については、オンライン英会話を全中学校に拡充するとともに、平成32年度から始まる小学校での外国語活動や外国語科の授業を見据えて、外国語指導助手(ALT)を増員し、児童生徒の「使える英語」の習得を目指します。

さらに、英語検定試験3級を受検する生徒には、新たに検定料を補助することで、英語に対する学習意欲を高めます。

また、ICT教育については、人工知能(AI)を搭載した人型ロボットや、体験学習など屋外でも活用できるタブレット端末、デジタル教科書や教育用アプリの活用など、ICT環境の整備に取り組みます。併せて、プログラミング教育を取り入れることで、児童生徒の情報活用能力や論理的思考力を育成します。

環境教育については、平成29年度から実施してきた環境教育モデル校を拡大するなど、今日の環境問題に適切に対処し、一人ひとりが主体的に行動できる人材の育成に取り組みます。

また、山口大学やJAXAと連携して、衛星データの利用・研究に関するセミナーを開催するなど、児童生徒に宇宙やその先端技術への興味を抱かせる宇宙教育にも取り組みます。

次に、「学校教育環境の充実」として、まず、学校施設の耐震化については、平成28年度からの継続事業による岬小学校校舎や厚東川中学校体育館など、校舎2棟、体育館5棟の計7棟の耐震化工事を実施します。これにより、平成30年度末には、小中学校施設の耐震化率は95.5パーセントになる見込みです。

また、普通教室への空調設備の設置に向けて導入調査を行うなど、児童生徒の学習環境の改善を目指すとともに、地域コミュニティの拠点として、様々な地域住民が利用できるよう学校施設のバリアフリー化に取り組みます。

次に、「地域における教育力の向上」については、学校と地域が連携したコミュニティ・スクールや、学校教育活動支援ボランティアを活用した特色ある取組を進めることで、地域に開かれた学校づくり、学校を核とした地域づくりを進めていきます。

また、市民が気軽に読書に親しめる環境づくりとして、市に寄贈された図書等を活用し、公共施設や店舗などに設置する「まちかどブックコーナー」の整備に取り組みます。

3 健幸長寿のまち

まず、「健康づくりの推進」として、子どもから高齢者まで、あらゆる世代における健康づくりの取組を強化し、市民が生涯にわたり安心して心豊かに暮らせる「健幸長寿のまち 宇部」の実現を目指します。

「はつらつポイント制度」については、対象年齢の拡大を図り、環境地域通貨「エコハ」と統合した「地域経済応援ポイント制度」の創設に向けた取組を進めます。

また、身近で健康相談ができる機会の提供として、市民センター・ふれあいセンターのほか、民間協力店に、「ちいき保健室」を開設するとともに、宇部市スポーツ推進委員や総合型地域スポーツクラブ等と連携し、地域における自発的なスポーツ・健康づくり活動の支援に取り組みます。

がん患者に優しいまちづくりの推進については、中学校でのがん教育や市民向け講演会の開催を増やし、がんに関する正しい予防知識の習得を図るほか、がん検診の受診率向上に向けて、子宮頸がん及び乳がんの検診無料クーポン券を配付するとともに、未受診者への受診勧奨を強化します。さらに、がん患者のがん治療と仕事の両立、社会参加を支援するため、平成29年度の実績を踏まえ、ウイッグの購入費助成を増額するほか、介護保険対象外の20代並びに30代のがん患者のターミナルケアに要する 在宅サービスの利用料の一部助成制度を創設します。

次に、「共生の福祉の推進」については、高齢者や障害者など市民の誰もが、住み慣れた地域で安心して生活できるよう、「地域支え合い包括ケアシステム」の強化に取り組みます。

このため、これまで地域包括支援センターをはじめとして、高齢者や障害者、生活困窮者等の分野ごとにサービスを提供してきた福祉施設を、複合的な問題に対処できる地域福祉総合相談センターへと段階的に移行させ、身近な相談窓口としての機能拡充を図ります。

さらに、地域・保健福祉支援チームと福祉施設等が連携を図り、ご近所福祉サロンをはじめとした地域の活動拠点での住民の交流促進や、地域が主体となって課題を解決する体制づくりに取り組んでいきます。

また、障害者が地域社会で安心して暮らしていくために、障害者に対する市民の理解促進と、障害を理由とする差別の解消に取り組みます。

さらに、障害者に対するコミュニケーション支援を推進するため、高い専門性をもつコミュニケーション支援者を養成する制度を創設するとともに、市役所窓口に、手話通訳をはじめとするコミュニケーション支援を行う職員を配置します。

次に、「介護予防・介護支援体制の充実」として、健康寿命の延伸に向け、やまぐち元気アップ体操等を通じて運動習慣を身につけるなど、高齢者の介護予防を強化するとともに、介護予防サービスや生活支援サービスの充実を図ります。

また、認知症サポーターの養成等の認知症対策や、高齢者が一人暮らしになっても住み慣れた地域で安心して過ごせるよう、見守り愛ネット事業による独居高齢者の見守りを、充実・強化します。

4 共に創る魅力・にぎわいあふれるまち

まず、「シティプロモーションの推進」については、本市の認知度を高めるため、首都圏や関西圏など都市部でのPR活動や、フィルムコミッションによるロケーション誘致活動等を積極的に展開して、本市の魅力を効果的・効率的に発信していきます。併せて、市民が本市の魅力を再認識する機会を創出することにより、シビックプライドの醸成に繋げていきます。

グローバル化の推進としては、2020年 東京オリンピック・パラリンピックにおけるホストタウンの相手国でもあるスペインのカステジョン市と、これまで4年間にわたり交流を進めてきましたが、今後は姉妹都市の提携を結ぶことにより、文化・スポーツや教育、経済など、様々な分野で本格的な交流を展開していきます。

また、平成29年に友好都市締結25周年を迎えた中国・威海市とは、平成30年2月に交わした「友好都市交流を深める意向書」に基づき、これまでの交流に加え、新たに両市の企業間の連携を支援することにより、経済交流を活発化したいと考えています。

さらに、共生社会ホストタウンとして、障害者や高齢者、外国人に限らず、誰もが積極的に参加・貢献することができる社会の実現に向けた取組を、加速化していきます。

次に、「ときわ公園の魅力発信」については、平成30年9月に開催される山口ゆめ花博を、全国発信のチャンスととらえ、春からときわ公園で開催するイベントを「ときわ公園山口ゆめ花博連携イベント」とネーミングし、魅力をさらに高めることにより、公園への誘客に繋げていきます。

また、人材育成・地元定着促進を図る一環として、ときわミュージアム世界を旅する植物館をフィールドに バージョンアップした「テクノロジー・アート」作品を制作し、山口ゆめ花博の開催時期に合わせて、夜のイベントを開催するとともに、TOKIWAファンタジア等の様々なイベントに対して、民間へのアウトソーシングを進めながら充実させ、県内外からの誘客を強化します。

さらに、学習面においても動物や植物、環境などに関するプログラムを拡充し、ときわ公園環境スタディツアーの誘致を図ります。

次に、「文化・アートに親しめる環境づくり」として、平成30年度は、第28回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)の一次審査及び応募作品展を開催するとともに、50年以上の歴史を持つUBEビエンナーレが、さらに国内外から注目されるよう情報発信を強化し、瀬戸内国際芸術祭やスペイン・カステジョン市、韓国・金浦国際彫刻公園との連携など、グローバルな展開を進めていきます。

また、アーティストを招いての滞在型創作活動の実施や、アートマネジメント人材の育成を図ることにより、市内全域で魅力的なアートに親しめる環境づくりを進めます。

さらに、市民団体と協働・連携した文化財展を開催し、文化資料の活用を図るとともに、市制施行100周年に向けて、「(仮称)宇部市デジタルミュージアム」を構築するなど、市民が文化資料等に親しみ、そして歴史を学び、わが街に誇りや愛着が持てるような取組を実施していきます。

次に、「スポーツ活動の推進」については、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、市民のスポーツへの興味・関心が高まる中、平成26年10月に設立した宇部市スポーツコミッションの一般社団法人化を支援し、地域や職場における健康づくり活動の支援に加え、スポーツツーリズムによる交流人口の拡大を図るなど、スポーツによる元気な人づくり・まちづくりを一層進めていきます。

また、誰もが住み慣れた地域で継続してスポーツに親しめるよう、地域の施設・人材・組織の活用を図るとともに、東部体育広場のグラウンド改修や俵田翁記念体育館の耐震改修に着手するなど、ソフト・ハード両面からスポーツ環境を整備し、スポーツを通じた健康の増進と地域の活性化に取り組みます。

特に、老朽化が進む恩田運動公園については、今後の人口減少や財政状況を踏まえながら、園内の施設の整備指針となる「恩田スポーツパーク構想」を策定し、スポーツの振興と市民の憩いの場として、新たな魅力とにぎわいあふれるエリアになるよう、計画的に整備を進めます。

また、地域に密着した街区公園等を活用して、木登りや泥遊びなど、子どもが自由な発想で遊びを展開できるよう、新たにプレイリーダーを養成し、プレーパークの整備を進めます。

次に、「若者・女性の活躍促進」については、様々な可能性を秘めた若者が集い、活躍することにより、まちに活力が生まれ、まち全体が元気になることから、若者が活躍できる場の創出や、若者が興味を持ち楽しめる文化・スポーツ活動への支援、また、若者の意見や提案をまちづくりに生かす取組を推進します。

その一方で、社会に馴染めない若者も存在し、こうした若者の社会的・職業的自立は、社会全体が抱える課題として支援していくことが重要です。

このため、悩みを抱える若者が安心して相談できる窓口の設置や、若者同士が交流できる場として、「若者カフェ」を多世代ふれあいセンター内に設置するなど、若者の居場所づくりに取り組むとともに、仕事体験などの支援を通して、社会への参画・自立に繋げていきます。

また、平成28年度に山口大学や宇部工業高等専門学校と連携して開設した、「テクノロジー・アート」の講座内容を充実させるとともに、ときわ公園を実践フィールドとしたデジタルアート作品の制作など、アートと産業、テクノロジーの融合を実際に体感することで、地域人材の育成や地元定着への促進に繋げていきます。

女性の活躍推進については、平成27年に女性活躍推進法が成立し、本市においても、同法に基づき、うべ女性活躍応援ネットワークを平成30年2月に設置しました。今後、このネットワークを女性活躍のプラットフォームとし、企業や金融機関、大学、行政等が一体となって、効果的に施策を推進していきます。

また、女性がいきいきと安心して働き続けることができるよう、女性職場環境改善助成金の拡充により、市内の中小企業等においてテレワークの導入を促進するなど、子育てや介護等と仕事の両立(ワーク・ライフ・バランス)を支援します。

次に、「移住・定住の促進」については、移住定住のワンストップ相談窓口である 移住・定住サポートセンターにおいて、仕事や住まいのマッチングをはじめ、ニーズに沿った移住相談、各種支援制度の紹介など、きめ細かい支援を行うとともに、首都圏等に向けた魅力発信や本市の暮らしを体験できる移住体験ツアー等を実施し、移住者の増加に繋げていきます。

次に、「中心市街地の魅力・にぎわい創出」については、都市機能がコンパクトに集積し、にぎわいがあり、歩いて暮らせる「まち」を目指すとともに、誰もが訪れたくなる魅力ある都市空間の形成を進め、交流人口の増加、中心市街地の活性化に取り組みます。

本庁舎の建替えと周辺の再整備を目指す「市役所周辺地区」では、新庁舎建設に向けた実施設計と立体駐車場整備を進め、また、宇部新川駅周辺の再開発を目指す「宇部新川駅周辺地区」では、駅前広場周辺の権利者等との合意形成に向けて、コーディネート業務を実施します。

また、新たなにぎわいの創出を目指す「中央町三丁目地区」を中心に、まちづくり会社「株式会社 にぎわい宇部」と連携し、共同住宅の建設や建物リノベーションへの支援、創業に係る家賃補助など、空き物件の利活用を促進します。

さらに、リニューアルした中央街区公園や多世代交流スペースなどを活用し、市民団体と連携したマルシェやイベント等を開催します。

また、「うべ産業共創イノベーションセンター志」の活動拠点の一つとなる「若者クリエイティブコンテナ」においては、起業・創業セミナー等を開催するとともに、地域の課題解決や価値を高める活動等を展開していきます。

次に、「中山間地域の振興」については、中山間地域・保健福祉支援チームの体制を強化し、地域計画をベースとした地域主体の取組を官民が一体となって支援することにより、地域活力を高め、中山間地域の持続可能な地域づくりを進めます。

また、豊かな自然環境や食と アートが融合したアートイベントを通じて、中山間地域の魅力を発信し、交流人口や移住・定住人口の増加に繋げていきます。

5 安心・安全で、快適に暮らせるまち

まず、「地域コミュニティの充実」については、市内全校区で策定された「地域計画」の推進のため、地域・保健福祉支援チームを中心に、関係機関とも連携を図りながら、地域を主体とした課題解決や活性化、さらには地域の自立に繋がる先駆的な取組への支援を行います。

また、ふれあいセンターの利用促進を図り、「人が集まる」地域の拠点として、地域の情報を積極的に発信するなど、市民センター・ふれあいセンターの機能を強化します。

次に、「環境保全対策の推進」については、まず、ごみ減量について、ごみ焼却施設の長寿命化を図りながら、事業者に対して、適正な排出と資源化の指導を強化するとともに、新たに、市民や事業者から募集したごみ減量のアイデアをモデル事業とする「ごみダイエット大作戦」を実施し、市をあげて、ごみ減量運動を展開します。

加えて、これまで主に小学校で実施してきた「ごみに関する学習」について、環境衛生連合会をはじめとした環境団体等との協働により、ごみ減量に特化した学習プログラムを中学校や高校にも拡大し、環境教育の充実を図ります。

また、食品リサイクルループの構築に向けた生ごみの分別排出に協力する地域に対し、機能性や美観を備えた「護美(ごみ)ステーション」を新たに整備します。

次に「災害に強い安全なまちづくり」として、災害時の情報伝達手段の多様化、多重化を図るため、屋外スピーカーの設置を含む整備計画を策定します。

また、危険ため池の整備や急傾斜地崩壊防止対策、護岸の嵩上げ等による海岸高潮対策など、ハード面の整備に取り組みます。

次に、「防犯・交通安全対策の充実」については、「青少年の万引きゼロ」の実現に向け、平成24年7月に「青少年の万引きゼロ宣言」を行い、着実に成果を上げてきたところですが、今後は広報・啓発活動をさらに強化するとともに、地域・関係団体等との連携を深め、青少年の健全育成に取り組みます。

次に、「人権の尊重」については、本市の市民宣言にうたわれている「人間が尊重される都市づくり」を目指し、学校や地域、家庭、職場など様々な場を通じ、人権教育・啓発活動を積極的に推進するとともに、近年増加している配偶者等からの暴力被害者などの安全確保や、相談業務、自立支援の強化のため、他自治体と連携した取組を行っていきます。

次に、「生活交通の確保・利用促進」については、市民の日常生活の移動手段を確保していくため、まちづくりと連携を図りながら、路線バスが運行していない地域等において、コミュニティタクシーなど地域内交通の導入を促進します。

また、環境にやさしいスマートな移動手段として、新たに電気自動車を導入し、まちづくりや地域づくりに効果的に活用していきます。

さらに、市民の移動手段の確保、移動の利便性・快適性に繋がる交通システムの形成と、交通を活用した魅力あるまちづくりに向けて、大学や民間企業、交通事業者等で構成する宇部市交通創造コンソーシアムを中心に、事業化に向けた取組を進めます。

次に、「快適な緑地空間の創出」については、公害克服から始まった歴史ある「緑と花と彫刻のまち」の新たなステージとして、「ガーデンシティ構想」を策定するとともに、シンボルロードをはじめとした中心市街地において、「まちなか 緑と花の回廊づくり」を推進します。併せて、山口ゆめ花博の開催を契機として、花の生産からデザインまで一貫した支援制度を構築し、産業化の促進に繋げていきます。

次に「都市環境の質的整備」として、「宇部市にぎわいエコまち計画(低炭素まちづくり計画)」に基づく、「多極ネットワーク型コンパクトシティ」の実現に向けて、「立地適正化計画」の策定に取り組みます。

また、平成29年に策定した「道路の個別施設計画」(舗装編)に基づき、緊急輸送道路などの重要度の高い路線、「あんしん歩行エリア」とその周辺、損傷度の高い路線について、舗装修繕を計画的かつ効率的に実施し、健全な道路状態の維持に取り組みます。

さらに、JR宇部駅において、列車とホームの段差解消やエレベーター付き跨線橋の新設など、JR西日本と連携し、駅構内のバリアフリー化を進めます。

次に、「暮らしに身近な環境整備」については、安心・安全な道路空間を確保するために、国土交通省から提供されるビッグデータを活用して、「あんしん歩行エリア」内の市道における速度超過箇所を特定し、国土交通省や地域住民と連携しながら、新たな交通安全対策に取り組みます。

また、空き家対策として、地域づくりやまちづくりに繋がる空き家の利活用を促進するとともに、空き家所有者への適切な指導など、環境改善に向けた取組を進めます。

6 計画の実現に向けて

「効率的・効果的な行政経営」については、今後、社会経済情勢の変化や新たな行政課題に迅速かつ的確に対応するために、多様な主体と連携を図り、広域的な視点で持続可能な行政サービスの提供体制を整えるなど、事業効果の最大化に一層努めていく必要があります。

このため、平成30年度から4年間の計画である「第三次宇部市行財政改革加速化プラン」のもと、行政サービス改革を進めるとともに、多様な主体との連携・協働・共創や、組織力の強化等に向けた取組を進めていきます。

また、公共施設マネジメントについては、「宇部市 公共施設等総合管理計画」の推進とともに、施設の方向性や保全・管理運営手法等を検討・調査し、個別施設計画の策定に向けて取組を進めます。加えて、新庁舎の建設にあたり、勤労青少年会館など庁舎周辺の公共施設との統廃合についても、検討を進めます。

また、市民の市政への関心や参画意識を高めるため、ホームページをはじめとした各種広報媒体と情報内容の充実に取り組むとともに、市民の声を市政に生かすため、「ふるさと元気懇談会」や「インターネット市民モニター制度」等を強化します。

さらに、民間企業等の外部人材を受け入れ、そのノウハウや人脈等を活かし、本市の魅力・価値の向上に繋がる事業展開を行うとともに、職員の資質向上、意識改革を促すため、職員を民間企業等に派遣します。

また、山口県央連携都市圏域における取組としては、構成7市町の連携により、新山口駅と山口宇部空港を活用した情報発信や、各市町の地域資源を活用した着地型旅行商品の開発など、特色ある事業に取り組みます。

7 公営企業

公営企業については、人口減少や社会情勢の変化に伴い、経営環境は今後さらに厳しさを増していくものと予測されます。

各料金収入の減少傾向が今後も続く中で、安定的に事業を継続していくためには、より一層の経営努力が必要であり、抜本的な経営改革を進め、市民サービスの維持・向上を図ります。

まず、上下水道事業については、玉川ポンプ場の整備など老朽施設の更新と耐震化に最優先で取り組むとともに、水道事業広域化に向けて、引き続き山陽小野田市と協議を進めていきます。

また、今後の人口減少社会においても、ライフラインの機能が維持できるよう、平成29年12月に設置した宇部市上下水道事業検討委員会の意見を踏まえながら、事業運営のあり方や事業計画を見直すこととしています。

次に、交通事業については、安心・安全な運行と、市民の元気で安心な暮らしを支え、使いやすく、持続可能な地域公共交通網を形成するため、「宇部市地域公共交通再編実施計画」に基づき、バス路線の再編を継続的かつ着実に進めるとともに、貨客混載などの新たな事業への積極的な取組により収益力を強化し、経営健全化を図ります。

おわりに

以上、申し上げました事業をはじめとする諸施策の執行にあたりましては、職員一人ひとりが、市政発展への使命感と責任感を持ち、まちづくりの主役である市民とともに、スピード感を持って 取り組んでいきます。

本市を取り巻く社会経済情勢は、決して予断を許さない 厳しい環境ではありますが、「宇部の精神(こころ)」である「共存同栄・協同一致」を原動力に、先人たちが築き上げた「ふるさと宇部」を、将来にわたって輝き続ける宇部市として、次の世代に引き継ぐため、総合計画の求める都市像である「みんなで築く活力と交流による元気都市」の実現を目指し、全身全霊を込めて取り組んでいきたいと思います。

市議会議員各位をはじめ、市民の皆様におかれましては、これまで申し述べました平成30年度の施策提案と 当初予算案に対しまして、深い御理解と御賛同を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、平成30年度の施政方針といたします。

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