平成26年度(2014年度)施政方針

ウェブ番号1007064  更新日 2021年2月25日

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平成26年2月26日

宇部市長 久保田后子

平成26年3月市議会定例会の開会に当たりまして、平成26年度の市政運営に関する基本的な考え方と予算案の概要について申し述べ、市議会並びに市民の皆様の御理解と御協力をお願いするものです。

はじめに

私は、平成25年6月の市長選挙において、市民の皆様からの温かい御支援により、引き続き2期目の市政を担うこととなり、改めて責務の重大さを痛感するとともに、気持ちを新たにしたところです。

1期目の市政を振り返ってみますと、まず、市民の声が届く市政実現のため、私の市政運営の基本姿勢であり、また原点でもある「市民と語る、考える、動く」ことを一貫して実践し、市民と語り合うことを大切にしてきました。

また、多様な市民のニーズにきめ細かく対応するため、公民連携を基本とし、様々な分野で市民協働事業に取り組み、市と市民が一体となってまちづくりを展開してきました。

さらに、「防災基本条例」や「文化の振興及び文化によるまちづくり条例」、「中小企業振興基本条例」、「次代を担う子どもをすくすくと育てることの推進に関する条例」など、市独自の政策条例の制定に加え、「生物多様性地域連携保全活動計画」など、新たな事業計画の策定に積極的に取り組むとともに、PDCAサイクルにより常に既存事業をゼロベースで見直し、捻出した財源で毎年、数多くの独自の新規施策を展開し、地域経済の活性化や市民サービスの向上に努めてきました。

本市を取り巻く諸情勢と本市の財政状況

内閣府発表の平成26年1月の月例経済報告では、輸出が持ち直しに向かう一方、家計所得や投資が増加し、景気回復の動きが確かなものとなるとの予測をもとに、「景気は、緩やかに回復している。」とし、また、平成26年1月の日銀発表の地域経済報告では、全国9地域とも「回復」という表現が盛り込まれ、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費も増加しています。

安倍政権は、「好循環実現のための経済対策」を閣議決定し、新年度予算において、経済再生・デフレ脱却を目指す予算を掲げ、企業活動を活性化させ、経済全体の底上げを進める考えを示しており、景気回復の兆しが、本市の地域経済にも及ぶことが期待されるところです。

また、宇部公共職業安定所管内の有効求人倍率は、近年、低迷を続けていましたが、平成25年12月現在では1.06倍となり、また、全国では1.03倍、山口県でも1.01倍と、緩やかながら回復基調にあります。

しかしながら、雇用情勢については、雇用のミスマッチの解消など、引き続き解決すべき課題があります。

本市の財政状況については、財政構造の弾力性を示す経常収支比率が、平成21年度決算では98.2パーセントまで達していましたが、「行財政改革加速化プラン」の実践や職員給料の特例的な一部カット、経常経費の圧縮などに努め、平成24年度決算では、93.6パーセントまで低下し、改善傾向にあります。

また、実質公債費比率及び将来負担比率についても、市債残高の圧縮努力により、それぞれ10.1パーセント、59.3パーセントと低下し、改善傾向にあります。

しかしながら、今後の見通しとしては、一般財源が伸び悩みの傾向にあり、また、福祉関係経費の増加が見込まれます。

さらに、積極的に企業誘致に取り組み、土地開発公社の保有地の売却を進め、簿価の減少に努めてきましたが、同公社解散に伴う第三セクター等改革推進債の発行により、約68億円という多額の債務残高を抱え、その償還負担が重くのしかかることから、財政運営は、依然として厳しい状況が続くと予測しています。

市政運営に関する基本的な考え方

平成26年度は「第四次宇部市総合計画中期実行計画」のスタートの年であり、来る市制施行100周年を目指し、新たなステージとなる重要な年です。

したがって、組織目標を明確にし、組織力を高めるため組織機構を再編するとともに、各主要施策も組織横断的に集約することで、効果的な展開と施策の見える化に配慮したところです。

まず、組織機構については、本市の情報発信を全庁横断的に、かつ、強力に推進するための広報・シティセールス部の新設、産業力の強化と雇用創出を進めるための産業経済部内の組織再編と部名の改称、合併10周年を踏まえ、地域課題の解決や活性化を推進するための楠総合支所の北部総合支所への改組など、様々な行政課題に挑戦する体制に変革することとしました。

次に、施策の展開については、特に懸案となっている市役所本庁舎について、先般提出された、市議会特別委員会の中間報告書を踏まえるとともに、早急に市民委員会を設置し、建替えの基本的な考え方について多様な意見を伺いながら、本庁舎建設に係る市の方針を決定します。

あわせて、本庁舎建設の財政面からの環境整備として、ガス事業の譲渡益等を活用し、庁舎建設基金を積み増ししていきます。

また、「第四次宇部市総合計画中期実行計画」については、市長2期目に当たって掲げた「改革と成長の戦略プラン100」を溶け込ませ、「新たなステージの始まり ~みんなで目指そう市制100周年~」と題し、着実に各主要施策を進めていきたいと考えています。

まず、第一の柱としての「地域経済の活性化」については、恵まれた地域資源と市民力を最大限に生かし、産業力の強化を図っていくことに加え、中心市街地の活性化と合わせた、環境負荷の少ないコンパクトシティを目指す「低炭素まちづくり」を進めることによって、まちの活力を取り戻します。

次に、第二の柱としての「健康で心豊かなまちづくり」については、市民誰もが一生涯を元気で、心豊かに暮らせ、本市に住みたい、住み続けたいと思えるまちづくりを目指します。

第三の柱としての「安心・安全なまちづくり」については、市民の安心安全で、快適な暮らしを守るとともに、地域の元気創造を進めます。

また、これらの3本の柱を中心として、新たな取組を含めた施策を積極的に展開する一方、市民との情報共有と協働を基本に、更なる行財政改革をスピード感を持って進めることによって、持続可能な自治体経営基盤の確立を図りたいと考えています。

平成26年度予算案の概要

こうした考えのもと、平成26年度の予算は、「行財政改革加速化プラン」の実践に加え、合併特例債、国の経済対策の活用などにより財源確保に努め、「市制施行100周年に向けた安心・活力増進予算」として、平成25年度3月補正予算と合わせた積極的な予算を一体的に編成しました。

その結果、平成26年度一般会計の予算規模は、660億3000万円、平成25年度3月補正予算に計上した経済対策分を合わせると、平成25年度当初予算を更に上回り、過去最大となる約675億円の規模となりました。

これにより、投資的経費についても、大幅な増加を図った平成25年度当初予算を上回る約73億円を計上することとなりましたが、その一方で、後年度負担につながる市債残高は、前年度を下回り、また、財政調整基金残高についても、約25億円を留保するなど、財政健全化にも留意したところです。

特別会計においては、ガス事業の民間譲渡に伴い、ガス事業清算特別会計を設置し、また、水道事業部と下水道部の組織統合により、農業集落排水事業が特別会計に加わり、10の会計全体で、436億5570万円、平成25年度当初予算と比較して、50億8040万円の増となっています。

それでは、平成26年度予算案の主な内容を御説明いたします。

1 地域経済の活性化

まず、産業力強化・雇用対策についてですが、平成24年12月から実施してきた厚生労働省の委託事業「『うべまるごと元気』雇用拡大プロジェクト」の総仕上げに向け、6次産業化や新たな観光交流の創出に積極的に取り組んでいくとともに、本プロジェクトは平成26年度末をもって終了するとから、後継組織を設立し、これまでに取り組んできた事業を継承・発展させていきます。

中小企業支援策としては、事業資金融資制度の融資限度額を拡大するなど、中小企業の活力強化を図るとともに、新たに市内企業情報のデータベースを構築し、企業PRに繋がるよう情報を公開することで、企業間マッチングの促進を図ります。

また、中小企業の海外事業展開を促進するため、経済セミナーの開催や、東南アジアなど外国からの経済視察団の誘致に取り組みます。

さらに、産・学・公・金連携による「うべ起業サポートネットワーク」を構築し、起業予定者や起業後間もない事業者に対し、創業セミナー、個別相談等を実施し、本市の未来を担う起業者の輩出に取り組みます。

また、求職者と市内中小企業者との情報共有のためのポータルサイト「UBEはたらこBASE」を充実させ、企業見学会の実施回数の増やスキルアップセミナー等の人材育成に取り組むとともに、就労を希望する女性等に対し、仕事と家庭の両立を支援するための相談機能を整備し、若者や女性等の就職促進と地元定着を図ります。

産・学・公・金の連携による新産業創出としては、産業団地に進出した企業が有している先端技術やノウハウと、市内企業が有している技術や資源のマッチングを行う「市内企業と進出企業の連携促進事業」を創設するとともに、「メイド・イン・ウベものづくり支援事業」を継続発展させて新事業の創出を図ります。

企業誘致については、関西圏をターゲットに、西日本最大の機械部品・加工技術の専門展「関西機械要素技術展」に出展し、トップセールスによる誘致活動を積極的に展開します。

次に、地域ブランドの創出については、本市の一次産品とその加工製品を全国にPRするため、「うべ元気ブランド」の認知度の向上と販路拡大を図るとともに、6次産業化等の促進による新たな加工品の開発等により、地産地消外商を推進します。

地元食材を使用した学校給食の充実については、生産者やJA等の関係機関との連携や、うべ元気ブランド認証製品の活用などにより、地元食材の使用率の向上を図ります。

また、漁業団体が主体となって運営する水産物直売等の施設の整備に取り組みます。

担い手の確保・育成については、農業の担い手を確保するため、県に設置される農地中間管理機構と連携し、農地集積による耕作放棄地の削減を図り、多様な担い手としての企業の農業参入や集落営農の法人化を促進します。

また、国・県と連携し、農業においては、新規の就業希望者への研修支援や青年就農給付金の給付等を、漁業においては、長期漁業技術研修や、研修修了者への就業後の経営自立化等の支援をします。

障害者の就労支援については、障害者就労に関する情報共有を図り、障害者が持てる能力を十分発揮できる機会や環境を整備するとともに、本市が取り組む障害者就労ワークステーションにおいては、障害者就業・生活支援センター等との連携による就労準備のためのセミナーの開催など、さらなる機能の拡充を図ります。

また、高齢者の就労支援については、働く意欲と能力のある高齢者が持つ知識・技能を事業活動や地域づくりに生かすため、シルバー人材センターにおける多様な就労機会の確保を支援します。

次に、低炭素まちづくりでは、「宇部市地球温暖化対策実行計画」や「宇部市再生可能エネルギー導入指針」などと適合調和した、市民と民間事業者と一体となった環境負荷の少ない、コンパクトなまちづくりを進めるための「(仮称)宇部市にぎわいエコまち計画(低炭素まちづくり計画)」を策定する中で、中心市街地のにぎわい創出のため、民間投資を促進する施策を盛り込んだ総合的整備計画を策定します。

また、低炭素まちづくりの一つの分野であるスマートコミュニティ事業については、本市の実情に合ったエネルギーの有効活用手法を検討し、その事業化可能性調査に取り組みます。

さらに、CO2を排出しない電気自動車等次世代自動車の普及促進のために、山口県EV充電インフラ整備計画に基づき、公共施設への急速充電器の設置を進めます。

生活交通の活性化・再生については、今年、宇部線開業100周年を迎え、鉄道企画展や鉄道の日イベントを開催し、宇部線の利用者の減少に歯止めをかけるため、利用促進に取り組むとともに、引き続き、生活バス路線やコミュニティ交通の確保・維持・改善に取り組みます。

再生可能エネルギー導入促進対策については、引き続き、公共施設へ太陽光発電設備を設置するとともに、メイド・イン・ウベのペレットストーブの導入を推進します。

また、し尿・浄化槽汚泥と下水汚泥を併せて処理する「MICS(ミックス)事業」における消化ガス発電設備工事に取り組みます。

その他、環境にやさしいまちづくりを目指して、生ごみの水切り運動や段ボールコンポストの普及促進及び学校給食残渣のリサイクルに取り組むほか、子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、ごみ減量と不用品の再使用を促進するため、現在の子供服・絵本に加え、玩具やベビーベッドなど子育て関連グッズのリユースを推進します。

また、自然共生社会の実現に向けた取組については、「宇部市生物多様性地域連携保全活動計画」に基づき、引き続き、計画区域内の保全活動に取り組むとともに、多様な市民活動団体等が実施する保全活動を支援する「生物多様性応援団活動等助成金」制度を創設します。

次に、ときわ公園については、平成27年春に一部オープンする動物園ゾーンのリニューアル整備工事を推進するとともに、オープンに向けたカウントダウンや「ときわファンタジア」などイベントの拡充、四季折々に花を楽しめるよう花の倍増計画の推進、また、「第26回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」の一次審査及び応募作品展、首都圏でのPR企画展の開催、さらに飲食やお土産品の充実などに取り組み、より魅力を高め、さらなる集客力のアップを目指して、全国ブランド化を積極的に推進していきます。

また、「ときわ公園次世代エネルギーパーク」計画に基づき、ときわミュージアムに太陽光発電設備を整備するとともに、来園者の移動手段として、電気自動車の導入に向けた実証実験を実施します。

次に、観光・にぎわいの面では、コンベンションの誘致や産業観光に積極的に取り組むとともに、「『うべまるごと元気』雇用拡大プロジェクト」と連携しながら、地域資源を活用したグリーンツーリズム、エコツーリズム、まち歩きなどを取り入れた、うべふるさとツーリズムによる着地型旅行商品の開発、県や関係機関と連携した国際チャーター便の運行促進や山口宇部空港を活用した観光パック商品の開発等により、交流人口の増加を図ります。

これら本市特有の資源の情報を積極的に発信し、本市の認知度アップと観光客等の交流人口の増加を図るため、シティセールス推進事業に取り組み、首都圏などへのシティセールス活動をより一層充実していきます。

また、ときわ公園の全国ブランド化を含む本市のPR戦略について、専門アドバイザーを設置し、総合的なコーディネートに取り組みます。

次に、市内でも特に高齢化の進行が顕著である、中山間地域の振興については、集落機能の維持、耕作放棄地の解消のほか、中山間地域支援員を配置し、移住・定住促進や起業支援など、地域の実情に応じた支援を積極的に進めるとともに、山やダム湖など地域資源を活用したモデル事業に取り組み、新しい観光資源として事業化を促進します。

2 健康で心豊かなまちづくり

子育て・教育については、安心して子育てできる環境づくりとして、つどいの広場や、子育て支援センターなどの身近な地域の子育て支援施設を充実するほか、親子で気軽に交流できる機会を創出するとともに、子どもや親同士の交流の場であり、子育て支援情報の提供や相談対応の機能を併せ持つ、本市の子育て支援の拠点となる「(仮称)子どもプラザ」の整備に向けて取り組みます。

また、子どもたちのより良い教育環境を整備していく小中学校の適正配置の取組については、見初小学校と神原小学校、小野中学校と厚東中学校の統合について、関係校区の地域住民と協議を進めます。

次に、学校教育の充実については、「学び合い」のある授業を通して「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」を育む教育を一層推進します。

いじめや不登校の問題については、児童生徒一人ひとりの状況に応じた支援を行います。特にいじめ問題については、学校に設置した、いじめ問題対策会議と連携を取りながら、早期発見・早期対応及び解消に取り組みます。

また、全小中学校でコミュニティ・スクールに取り組み、地域の創意工夫を生かし、地域に開かれた特色ある学校づくりを進めるとともに、子どもたちの「生きる力」を育むことを目指し、地域ぐるみで子どもたちの育ちを支援する「うべ協育ネット」の取組を推進します。

特別支援教育については、福祉や医療などの関係機関との連携を一層強化し、発達・就学相談や保護者の支援をするとともに、サポート教員等を配置するなど、乳幼児期から切れ目のない一貫した支援に取り組みます。

次に、医療・健康・長寿については、健やかで生き生きとした生活を送ることができる社会を目指し、「(仮称)宇部市健康づくり条例」を制定し、まちづくり、ひとづくり、健康づくりの一体化を図ることにより、市民の健康増進、健康長寿を推進します。

高齢者福祉については、地域全体で高齢者を支えあう体制を構築するため、高齢者が長年培った経験・知識・技術を生かした地域活動を支援する「高齢者の本領発揮支援事業」や、高齢者ができるだけ住み慣れた自宅で穏やかに暮らしていけるよう、「認知症初期集中支援事業」や「在宅医療・介護連携事業」などを実施し、地域包括ケアシステムの構築を推進します。

障害者福祉については、自立に向けた就労や社会参加を促進するとともに、地域社会において障害のある方に対する理解を深める事業を行うなど、安心な地域づくりを推進します。

地域医療対策については、救急医療を支える人材確保等の課題に取り組むとともに、市民への適切な受診の啓発など、地域医療・救急医療の充実に向けた体制強化を図ります。

健康づくりについては、健康寿命の延伸を図るため、はつらつポイント制度の充実と活用により、市民の主体的な健康づくり、介護予防、生きがいづくりを推進します。

また、がん患者に優しいまちづくりを更に進め、がんの予防と早期発見のため、市民が受診しやすい、がん検診体制の整備を行うとともに、水痘やロタウイルスの予防接種の助成を継続し、乳幼児の感染症に対する予防を推進します。

次に、文化・スポーツについてですが、文化の振興については、平成25年10月に設立した、宇部市文化創造財団と連携・協力し、財団による新たな自主文化事業や人材育成事業への支援を行います。その中で、子ども文化夢教室として、子どもたちが様々な文化活動を体験できるよう、ワークショップ型の教室を開講します。

また、市民の自主的な文化活動をサポートするとともに、市民同士の文化を通じた交流の拠点として、中心市街地の空き店舗等を活用した、まちなか市民ギャラリーを設置し、「人と地域がきらめく 文化の薫るまち」を目指します。

スポーツの推進については、総合型地域スポーツクラブの育成と新たなクラブの設立支援や、子どもたちのスポーツへの関心を高めるための「スポ育」授業を開催します。

また、市民の多様なスポーツニーズに対応し、スポーツ活動の拡大やスポーツ機会の提供ができるよう、スポーツに関する情報・人材・組織をネットワークでつなぐ、スポーツコミッションを構築するなど、スポーツによる元気な人づくり、健康長寿のまちづくりを推進します。

3 安心・安全なまちづくり

防災・都市基盤については、国の方針を踏まえた学校施設の耐震化、その他緊急性の高い事業を中心に整備を行います。

学校施設の耐震化では、新川小学校校舎、西岐波中学校体育館など、校舎1棟、体育館4棟の計5棟の改築工事と、常盤中学校校舎1棟の耐震補強工事を実施します。

また、平成25年度3月補正予算による東岐波中学校など、校舎4棟の耐震補強工事を実施します。これにより、平成26年度末には、小中学校施設の耐震化率は82.2パーセントになる見込みです。

また、危険ため池の整備や、消波ブロックの設置による海岸高潮対策など、ハード面の整備に取り組むほか、市民に対する津波浸水想定区域の周知や防災意識の啓発の一環として、山口県の南海トラフ巨大地震被害想定を基に、津波ハザードマップを作成します。

都市環境の質的整備については、安全性や利便性の向上に重点を置き、「あんしん歩行エリア」及び、その周辺における交差点の段差解消を実施するとともに、立熊沖田線の早期完成のほか、岩鼻中野開作線、鍋倉草江線などの道路整備、西岐波団地・見初団地の建替えや、その他インフラの整備を計画的に行います。

次に、地域・安心・人権に関しては、事故の起こりにくい安全なまちづくりとして、自治会や通学路におけるLED防犯灯の設置に対する支援や、多重債務など消費生活相談をはじめとする市民相談機能の充実、消費生活リーダーの育成を図ります。

また、自治会や各種コミュニティ団体の自主的で個性的な地域づくりをサポートするとともに、各校区の特色と課題をつかみながら、地域活性化に向けて支援するなど、地域コミュニティの充実を図ります。

その取組の一つとして、地域の団体や市民活動団体からのまちづくりに関する提案への助成により、その活動を支援する「協働のまちづくり提案サポート事業」を実施します。

さらに、4つの市民センター及び北部総合支所に保健師と地域支援員等を配置し、巡回や話し合いを通じて、地域の課題解決や活性化を図る「元気・安心・地域づくり事業」を新たに実施します。

災害時の避難については、国の「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」に基づき、現在の災害時要援護者避難支援制度を見直し、市民の安全確保に努めます。

また、人権に関しては、本市の市民宣言にうたわれている「人間が尊重される都市づくり」を目指し、人権教育・啓発活動を積極的に推進するとともに、平成26年3月に策定する「宇部市配偶者等からの暴力防止及び被害者支援に関する基本計画(改定版)」に基づき、配偶者等からの暴力被害者などの安全確保や、相談体制、自立支援の充実を図ります。

4 まちづくりの共通基盤

市民との情報共有・協働に関しては、若い世代に市政に関する情報を届け、若い世代の市政参画を促進するため、「若者会議」を開催するとともに、インターネット市民モニター制度を導入します。

さらに、広報媒体の充実や「第四次宇部市総合計画中期実行計画」をはじめとした市政に関する説明会の実施、各種補助金等のジャンル別一括募集など、情報を届けるための創意工夫をしていきます。

また、効率的・効果的な行政経営を行い、多様な行政課題に対応していくため、「第二次行財政改革加速化プラン基本計画」に基づき、積極的に行財政改革を進めるとともに、行革検討委員会を立ち上げ、公共施設マネジメントや各種施策の評価に取り組みます。

また、平成29年7月に法施行が予定されている社会保障・税番号制度に対応するため、基幹情報システムを改修し、市民サービスの向上につなげます。

5 公営企業

公営企業についてですが、人口減少や社会情勢の変化に伴い、各料金収入の減少が続き、依然として厳しい経営環境にあります。こうした状況を踏まえ、ガス事業の民営化等公営企業のあり方について抜本的な見直しを進めてきたところであり、引き続き、各企業の経営改革を進め、効率的な経営体制の下、市民サービスの向上を図ります。

日常生活に欠くことのできない水道事業と下水道事業については、両事業を担う組織を統合し、上下水道局を設置します。「水」で繋がる事業を一体的に運営することにより、経営コストの縮減はもとより、類似業務の窓口一本化や災害時における応急復旧活動の迅速化を図ります。

水道事業については、安全で安心な水道水の安定供給を持続するため、配水管整備事業を推進し、管路の耐震化と、経年化・老朽化した浄水施設の更新に取り組みます。

また、下水道事業については、快適な生活環境を確保するため、浸水常襲地区の雨水整備及び老朽管対策に取り組みます。

交通事業については、低炭素まちづくりに向け、バス路線の新設・変更、エコ通勤の普及・促進を図るとともに、利用者の視点に立った利用しやすいバスを目指し、効率的で利便性の高い運行ダイヤの実現に取り組みます。

また、新たに運行を予定している厚南循環線では、実験的に均一運賃の導入に取り組むとともに、自家用車の利用を抑制するため、運転免許自主返納の促進にも取り組みます。

交通事業を継続していくためには、市民の自主的な利用をお願いする必要があることから、各バス路線の評価に関するデータを公表して、地域と共に運行形態を見直していきます。

おわりに

以上、申し上げました事業をはじめとする、諸施策の執行に当たりましては、事務事業の総点検などにより、絶えず検証と見直しを行い、効果を上げていきます。

今後は、これまで培ってきた本市の魅力にさらに磨きをかけ、中長期的な視点を持って、市民が主役のまちづくりをさらに進めていくとともに、目まぐるしく変わる社会経済情勢に的確に対応するため、全力で市政に取り組み、「みんなで築く 活力と交流による元気都市」の実現を目指します。

市議会議員各位をはじめ、市民の皆様におかれましては、これまで申し述べました、平成26年度の施策提案と当初予算案に対しまして、深い御理解と御賛同を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、平成26年度の施政方針といたします。

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