09-3 都市環境の質的整備

基本構想の取組内容

都市環境整備について、面的・量的整備から安全性や利便性を高める質的整備に転換し、適切な維持管理及び更新を進めます。

取組の目標

市街地から山口宇部空港へのアクセス道路などの道路ネットワーク整備及び市内主要路線の交差点改良を実施し、交通の円滑化を図るとともに、宇部港の整備を促進し、市民生活や産業活動を安全で利便性の高いものとします。

桃山地区のインフラ整備、市営住宅の建替え及び下水道の効率的な整備により、生活環境水準の向上を図ります。さらに、市営住宅及び道路橋等の修繕計画に基づく修繕等を実施することにより、公共施設の長寿命化を図ります。

宇部駅、宇部新川駅、山口宇部空港などの交通結節点周辺については、宇部市をイメージしてもらえるような“街の顔”の形成を図ります。

現状と課題

現状

市街地と山口宇部空港を結ぶ道路などは未整備であり、また、黒石交差点などでは朝夕のラッシュ時を中心に慢性的な交通渋滞が発生しています。桃山地区では市街地に近接しているものの、インフラ整備が遅れています。

市営住宅の建替えや修繕、道路橋の架け替えや修繕、港湾環境の整備、下水道未普及地域の解消及び処理場の改築など、市民の安心安全のため、計画的な都市環境の質的整備が求められています。

本市の重要な交通結節点である宇部駅、宇部新川駅周辺地区では、公共交通利用者の減少などから駅前商店街の衰退等が発生しています。また、山口宇部空港は、“緑と花と彫刻のまち”のイメージづくりに向け、彫刻設置やバラ園などの敷地内整備を実施してきました。

課題

公共事業関係予算の確保が年々困難となっている状況の中、事業進捗を図るためには、特に重点的に整備を要する事業を厳選するとともに、民間資金の活用も視野に入れ、計画的な実施が必要となっています。

市営住宅や道路橋・下水道施設など既存公共施設を長寿命化するためには、経費の平準化を図り、修繕や改修等を計画的に行っていく必要があります。

宇部駅、宇部新川駅周辺地区では、都市機能の集約化と公共交通の利用促進などの官民一体となったまちづくり、また、山口宇部空港では、山口宇部空港ビル株式会社と共同でのイメージづくりが必要です。

主要事業

主要事業09-3-1 都市再生整備事業

具体的な取組

• 都市再生整備計画に基づき、地元住民の理解と協力を得ながら、桃山地区の道路や下水道の環境整備を推進します。

主要事業09-3-2 市営住宅建替事業

具体的な取組

• 「宇部市公営住宅長寿命化計画」に位置づけ、総住戸数360戸を完工目途とした西岐波市営住宅の建替えを引き続き計画的に推進します。また、見初市営住宅の建替えに着手し、総住戸数138戸の良質な住環境を提供します。

主要事業09-3-3 市営住宅ストック改善事業

具体的な取組

• 「宇部市公営住宅長寿命化計画」に基づき、既設市営住宅の長寿命化を図るため計画的に外壁改修や電気設備改修等を推進するとともに、高齢者へ配慮した住宅供給のためにシルバーリフォームを推進し、また予防保全的な維持管理や長寿命化によるライフサイクルコストの縮減を図ります。

主要事業09-3-4 橋梁長寿命化修繕事業

具体的な取組

• 「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、優先度の高い道路橋の維持的修繕等を実施し、ライフサイクルコストを考慮した適正管理を推進します。

主要事業09-3-5 道路改良事業

具体的な取組

• 慢性的な渋滞緩和対策として西宇部妻崎線の黒石交差点などの改良、岩鼻中野開作線の老朽化した「琴川橋」の架け替え、また、丸尾岐波浦日の山線などの生活に密着した道路の拡幅改良等の整備を推進します。
• 市街地から山口宇部空港へのアクセス道路である鍋倉草江線、市街地と楠地域を結ぶ立熊沖田線などの整備を実施し、道路ネットワークを充実させ、利便性の向上や交流促進を図る事業を推進します。

主要事業09-3-6 港湾環境整備事業

具体的な取組

• 宇部港は平成23年に「国際バルク戦略港湾」に選定され、大型船舶による効率的な船舶輸送などを実現するため、国、県と一体となって、本港航路・泊地の増深浚渫事業や港湾機能の整備を推進します。
• 浚渫土によって埋め立てた東見初地区の岸壁整備の早期完成を促進し、宇部港の内貿機能の充実・強化を推進します。

主要事業09-3-7 下水道整備事業

具体的な取組

• 下水道事業計画区域内の未普及解消を目指し、桃山・厚南地区の各汚水幹線及び面整備を、効率的・計画的に推進します。
• 処理場施設の効率的・計画的な改築に併せ、機能向上を図ります。

主要事業09-3-8 交通結節点環境整備事業【新規】

具体的な取組

• 宇部駅、宇部新川駅、山口宇部空港などの交通結節点周辺については、宇部市をイメージしてもらえるような「街の顔」の形成を図ります。
• 公共交通の利用促進などの公民一体となったまちづくりに向けて、市民と具体的な施策について検討します。

目標指標

成果指標	前期策定時値	現状値	基準年	中期目標値
桃山地区事業進捗率（事業費ベース・％）	（新規）	50.0	平成24年	80.0
市営住宅建替戸数（累計）	78	234	平成24年	423
市営住宅ストック改善進捗率（％）	（新規）	7.0	平成24年	61.0
橋梁修繕実施箇所数（累計）	（新規）	0	平成24年	3
道路事業進捗率（事業費ベース・％） [岩鼻中野開作線、西宇部妻崎線、立熊沖田線、鍋倉草江線]	（新規）	72.0	平成24年	100.0
宇部港東見初地区事業進捗率（事業費ベース・％）	96.0	96.2	平成24年	98.2
下水道人口普及率（％）	68.0	74.1	平成24年	75.3

用語「交通結節点」

異なる交通手段を相互に連絡する乗り換え・乗り継ぎ施設

用語「シルバーリフォーム」

高齢者が安心して暮らせるために行う、高齢者対応設備、手すり等の設置、段差解消などの高齢者向けの住戸改善

用語「ライフサイクルコスト」

構造物等の企画、設計、建設から維持修繕、解体処分までを生涯と定義し、その全期間に要する費用

用語「国際バルク戦略港湾」

資源、エネルギー、食糧等の世界的な獲得競争の中、一括大量輸送によるスケールメリットから、輸送船舶の大型化が進展しており、産業の競争力強化や国民生活の向上に不可欠な物資の安定的かつ安価な供給を実現するため、国が選定した全国の11港
宇部港は徳山・下松港と連携し、石炭の輸入効率化のため、県及び関係市、連携する企業が一体となった取組を計画しており、平成32年度末までに大型の輸送船舶が入港できるよう整備が進められている。