株式会社宇部情報システム

ウェブ番号1005278  更新日 2021年2月10日

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株式会社宇部情報システムの障害者雇用について取材しましたので、ご紹介します。

  • 訪問日時:平成27年7月22日(水曜日)14時~15時30分
  • 訪問者:宇部市障害者就労支援ネットワーク会議の就労支援ワーキングチームメンバー6名

会社紹介

  • 所在地:宇部市相生町8番1号 宇部興産ビル
  • 電話番号:0836-22-0111
  • 従業員数:360人(平成27年4月1日現在)
  • 障害者数:2名(身体2名)

企業の概況

株式会社宇部情報システムは、宇部興産株式会社関連するグループ企業(全国に約140社)の一つであり、昭和58年創業、32年目を迎えています。拠点は宇部・周南・東京・大阪の4ヶ所で、ソフトウェアの開発を中心に、ネットワークビジネス、システム運用管理、技術解析サービス、情報機器販売による総合力で、お客様の高度情報化ビジネスの実現に寄与しています。

上司へのインタビュー

勝見部長の写真
勝見 恭司 人事・総務部長
水ノ上マネジャーの写真
水ノ上 聡 人事グループマネジャー

障害者雇用はいつからで、そのきっかけは何だったのでしょうか?

平成19年度より障害者の新規雇用を開始しました。法定雇用率(当時1.8%)に達していなかったため、障害者雇用の取組の必要性に迫られていました。ちょうどその頃よりUBEグループ内で発足した「UBEグループ障害者雇用ネットワーク」などの研修会を活用しながら、本格的に障害者雇用に取り組み始めました。

求める人材は?

意欲・やる気・好奇心を持っている人、コミュニケーション能力・論理的思考力を持っている人を求めています。ITに関するスキルは入社後の社内教育やOJTで十分身に着けられるので、採用時の参考にはしますが、条件にはしていません。

社員人数と、そのうち障害者雇用の数、雇用形態、配属部署は?

現在、従業員数は360名。障害者雇用2名。(肢体不自由(下肢)、聴覚障害)SE(システムエンジニア)として採用し、処遇や業績評価については、健常者と全く同じ条件で区別はしていません。

雇用に当たって、会社の規定や体制作りなどをどのように整えられましたか?

企業として障害者雇用を推進するためには、まず障害者を受け入れる態勢を整える必要があります。平成19年に雇用を開始した当初に、障害者雇用の理解を社内に広めるために、社内研修会を開催しました。研修内容は、障害者雇用の必要性や、聴覚障害の基礎知識等でした。聴覚障害者を受け入れるための具体的なノウハウとともに、障害者雇用の理念についても学ぶ機会となりました。

また、ハード面の支援として、就業場所の導線や通勤時の駐車場の確保、ドアノブをひねる物からバー式に改造。エレベーターの奥に曲面鏡を設置し車いすで乗車した際、向きを変えることなく移動階がわかるように工夫しました。

独身寮には、玄関と駐車場に車いす用のスロープをつけ、浴室はバスタブを取り除きシャワー室に変更し、生活しやすいよう改装しています。今後も寮への受け入れがあれば同じ対応をします。

写真:ドアノブ
ドアノブをバー式に改造
写真:エレベータ鏡
エレベーターの奥側の壁に、車いすから見て移動階の確認ができるよう
鏡を取り付けている。

採用して良かったと思うことは何でしょうか?また、社内にどのような変化がありましたか?

車いすの社員がドアを通るとき、近くに別の社員がいれば、その社員がドアを開けるなど自然と障害者をカバーし合える雰囲気となり、社員同士、人に合わせた配慮ができ、障害について会社内の理解が広まりました。

障害者雇用を検討されている他の企業へのアドバイスはありますか?

障害者雇用に関してあまり気負い過ぎず、普通に接することが大事だと思います。何気ない通常の会話や仕草の中に色々な改善のヒントが見つかります。健常者の社員と同様に、常日頃から直接障害者の方と会話を行うことが大事です。

後ほどインタービューする障害者が、仕事を始められた当初の様子はいかがでしたか?

新入社員として入社した時、同期入社の者が複数いたため、すぐに仲間ができ、孤立することはなかったです。また、2人とも入社式のときに全従業員を前に自分の障害について隠すことなくおおらかに語り、理解を求めました。この隠さず語る姿勢が、職場の中に気兼ねなく語り合える雰囲気を生むことができたのでないかと思います。

仕事をするうえで、上司の方はどのような配慮や工夫をされていますか?

聴覚障害者は大勢の人が一気に話す場(会議等)で、一度に全ての人の口を読むことが難しいので、会議後に報告書を作成し、それを見て会議内容を把握させるようにしています。

社員の紹介

小林直広さん(36歳) 障害種別 下肢2級 勤続年数 8年

写真:小林さん

写真:小林さんの職場での様子

今の会社に入ろうと思ったきっかけ、理由は何でしょうか?

この業種に興味があったということと、20代半ばから車いす生活になり、進行性の病気ということもあって、体の事を考えこの会社に決めました。

今どのようなお仕事をされていますか?仕事の内容について教えてください。

システム開発第1部で、人事・給与システムの保守を担当しています。2年目から今の部署にいます。

仕事をして大変なこと、苦労をしていることは何でしょうか?

ユーザーからの問い合わせに答えながら、バージョンの改正など、複数の業務を一気にこなさなければならない時は大変です。

仕事をして楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?

ユーザーから機能面で使いやすくなったと感想を頂いたときです。

毎日の仕事の上で特に気をつけておられることは何でしょうか?

平日の仕事に支障がでないように睡眠を優先しています。平日はお酒をセーブするようにしており、きちんと仕事が出来るように体調面に気をつけています。

今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?

当面は今のところでスキルアップをして、実務寄りの経験を積んでいきたいです。

これから、就職活動をする人への応援メッセージをお願いします。

ポジティブに前向きに考えていけば、・・・“障害は個性”・・・という気持ちでいれば、良い結果が得られるのではないかと思います。

山丈亮二さん(34歳) 障害種別 聴覚2級 勤続年数 9年

写真:山丈さん

写真:山丈さんの職場での様子

今の会社に入ろうと思ったきっかけ、理由は何でしょうか?

以前は下関で障害福祉関係の事業所で働いていましたが、宇部に戻ろうと思ったことと、コンピューター関係の仕事をやってみようと思ったことが、この会社を選んだきっかけです。

今どのようなお仕事をされていますか?仕事の内容について教えてください。

製造ソリューション第1部でプログラムの開発を行い、主に保守の対応をしています。

仕事をして大変なこと、苦労をしていることは何でしょうか?

コミュニケーションが大変です。静かなところであれば、残った聴力で会話が出来ますが、会議とか大勢人がいるところでは、段々話しの内容についていけなくなります。部内の皆さんにそういう自分を理解してもらっており、口の動きを読み取りやすくなるように、会話するときは口の動きをみせるように配慮してもらっています。会議では、議題をあらかじめ文書で配布してもらったり、会議後は議事録で内容を確認しています。

仕事をして楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?

顧客やメンバーから感謝されたときです。また障害を理解してもらっており、肩をたたいて合図してもらうなど配慮をしてもらっていることや集中して仕事がしやすい環境になっており、周囲に感謝しています。

毎日の仕事の上で特に気をつけておられることは何でしょうか?

わかったふりをしないように気をつけています。必ず復唱するようにしており、自分がやったことは、これで大丈夫か?間違いはないか?常に確認をするように心がけています。

今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?

まったく内容が変わるような仕事は考えていません。今の自分に足りないところを補いながら、業務知識のレベルアップを図り、チームリーダーで皆を引っ張っていけるようになれたら良いと思います。

これから、就職活動をする人への応援メッセージをお願いします。

障害があるからダメだとあきらめたり、コンプレックスを持ったりするかもしれませんが、そういったことを言っていたらきりがない。前向きになって、自分と向き合って、自分の強みは何かをしっかり持って、頑張っていって欲しいです。

編集後記

宇部市にある宇部情報システム様に取材のため訪問させていただきました。取材後は、事業所内をご案内いただき、どのような環境で働かれているのかを知ることが出来ました。人事・総務部の勝見部長様、水ノ上マネージャー様にはご多忙のなか対応いただきまして厚くお礼を申し上げます。障害をお持ちの方も一般社員と同じで特別扱いをしないという方針のもと、必要なところはカバーしていくという、互いにとって良い関係を持たれているという印象を受けました。また、障害をお持ちの方がいるということで皆がカバーし合う風土が出来たというところには、障害者雇用の良さを感じることが出来ました。

今回取材させて頂いたお二人に共通することは、「前向きに考える事」でした、障害があってもポジティブに、前向きに考えることで、道を切り開いていけるということを実感させられた取材となりました。

このページに関するお問い合わせ

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〒755-8601 宇部市常盤町一丁目7番1号

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