セントラル硝子株式会社 宇部工場
セントラル硝子株式会社宇部工場の障がい者雇用についてご紹介します。
会社紹介
- 所在地:山口県宇部市大字沖宇部5253番地
- 電話番号:0836-22-5111
- 従業員数:854人(2024年12月末現在)
- 障がい者数:24人(身体6人、知的9人、精神9人)
企業概要
宇部工場は、1936年にソーダ灰・苛性ソーダの生産からスタートし、以降化学肥料や無機化学製品へ事業を拡大しました。現在では、医薬原体(世界トップシェア)と半導体用プロセスガス等の生産も行っています。
当工場はコンプライアンス「法律や条令を遵守すること」はもちろんのこと、地域住民の皆様からさらに「安心」して頂ける工場を目指して努力を続けています。障がい者雇用についても、2024年から新たにウエス裁断加工作業を開始しました。また、あいサポート企業の認定を受けるなど、さらなる雇用の拡大を図り、社員一丸となって取り組んでいます。
障がい者雇用業務の内容
宇部工場では、工場内トイレ清掃、倉庫内清掃、シートパレット(製品を乗せるトレー)の洗浄、構内除草、一般事務、ウエス裁断加工、製造現場補助の各業務に従事しています。
【トイレ・倉庫内清掃】
工場内43か所のトイレを4日のローテーションで清掃しています。
作業者には、一人ずつ専用のカゴがあり、道具の管理がしやすいように工夫をしています。
わかりやすく写真で示されたマニュアルに基づいて作業を行い、作業の完了確認は、チェック表を用いて実施しています。
また、倉庫管理部署から依頼のあった倉庫について、週2回清掃作業を実施しています。
各所清掃風景
【シートパレット洗浄】
汚れたシートパレットを洗浄機に通す作業と、洗浄機から出てきたシートパレットを重ねていく作業の2通りの作業があり、2人1組及び指導員で作業を行っています。
機械を扱う作業のため、安全に配慮しながら作業を行うことが重要になります。
また、2人1組での作業のため、2人のペースを合わせることが大切です。
シートパレット洗浄風景
【構内除草】
パトロールによる気づきや工場内各部署または関係会社から依頼を受け、構内除草を行っています。以前まではすべて手作業で実施していましたが、草刈り機の講習会に参加することで、操作方法や安全対策を学びました。作業効率が上がり、作業エリアも拡大することができました。
構内除草風景
【ウエス裁断加工】
福祉施設から購入した原料を手作業や裁断機を使用して加工し、工業ウエスとして宇部工場内の各部署・関係会社・協力事業所へ出荷しています。
作業手順については、視覚的に伝わるように、図のマニュアルを使用しています。また、オーダーに合わせたサイズで裁断しているため、作業机にカラーテープを貼り、大きさの目安となるガイドを準備するなど、迷わず作業できる環境づくりを行っています。
ウエス裁断加工風景
【製造現場補助業務】
顧客から返ってきた使用済みボンベ容器を再利用するため、ラベルを剥がし、ボンベに不具合がないかなど、使用前点検を行っています。
製造現場補助業務風景
障がい者雇用担当者への質問
障がい者を雇用するようになったきっかけは?
過去にも、障がい者手帳を取得している社員は在籍していましたが、法定雇用率の引き上げに対応するために平成17年から障がい者雇用をスタートしました。
雇用するにあたって、企業の体制をどのように整えられましたか?
日頃から積極的なコミュニケーションを意識し、楽しく接することを心がけています。また、カウンセラーや産業医を配置するとともに、障害者就業・生活支援センター等の関係機関と連携し、サポート体制を構築しました。しかし、何かトラブルが起こった際、すぐに関係機関の方の支援を受けることが難しく、対応が遅れ、トラブルが深刻化する事案も発生しました。
そこで、指導員がジョブコーチの資格を取得し、即座に対応し、安心して働けるサポート体制を再構築しました。業務内容を熟知している企業在籍型ジョブコーチは、障がい者の業務指導はもちろん、障がい特性に合わせた職場環境の整備や合理的配慮の検討など企業内での調整をスムーズに行うことができます。また、障がい者と他の社員との間に入り、橋渡し役となって、お互いの理解を深めることもできます。
障がい者が仕事を始められた当初の様子はいかがでしたか?
こだわりが強くグループでの作業が難しい方や自信のなさから仕事に手を出せない方など個々に課題がありました。中でも人間関係に関するトラブルが多かったです。
当初は、何がふさわしい仕事なのか、どこまで言ってよいものなのかなど、接し方がよくわかりませんでした。特に障がい特性に応じた業務の切り出しが難しかったです。
仕事をする上で、どのような配慮や工夫をされていますか?
何よりも安全第一であること、「事故」が起こらないことを大切にしています。そのために、個々の作業が無理のない工程で行われているか点検し、詳しいマニュアルを作成しました。作業手順を写真や図をたくさん使って、視覚的に伝えられるように工夫しました。
「楽しさ」「やりがい」を感じながら仕事を続けられる職場環境づくりも大切にしています。指導員から指示されて働くのではなく、チームリーダーを中心にそれぞれの特性に合った仕事を担当してもらい、任せることができる仕事は任せるようにしています。そうすることで、仕事が終わった時の達成感を味わうことができるように心がけています。また、「みんなの笑顔をつくる仕事をしよう」というスローガンを掲げ、朝礼で唱和し、自分たちで職場環境をよりよくしようとする意識を高めています。
採用してよかったと思うことは何でしょうか。また、社内にどのような変化がありましたか?
「給料で家族や大切な人にプレゼントをしました」と報告を受けた時やグループを引っ張ろうとする意欲的な姿勢を目にしたときにうれしくなります。
障がい者雇用を始めた当初は、障がい者の方がそばで作業をしていてもほとんどの社員が無関心でしたが、いつの日からか「きれいにしてくれてありがとう」と声をかけてくれるようになりました。その言葉かけを聞いた時、とてもうれしかったです。
最近は、障がい者の個々の力を認めて、いろいろな部署から派遣依頼が相次ぐようになりました。このような社内の雰囲気を感じて、共に働きやすい職場作りを進めるため「あいサポート企業」の認定を受けました。
障がい者雇用を検討されている他の企業へのアドバイスはありますか?
自分たちだけで頑張ろうとするのではなく、社会福祉法人や行政機関、近隣企業と積極的に連携することが大切です。連携することで仕事の切り出しのヒントなどをもらうことができたりします。
また、障がい者の方にとって仕事内容や職場環境を把握するために、雇用する側にとっては、ご本人のことを理解するために、実習の期間は、2週間程度必要だと思います。
社員の紹介
Aさん
- 年齢:30歳代
- 障がい種別:知的障がい
- 勤続年数:11年
今の会社に入ろうと思った理由は?
就労移行事業所の紹介で実習を行い、やっていけると思ったからです。
今どのような仕事をされていますか?
洗浄チームのリーダーとして工場の敷地内や浴室の清掃や除草作業を担当しています。
仕事をしていて楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?
仕事を覚えてできるようになった時や作業スピードがアップしたと感じた時です。
仕事をしていて大変なこと、苦労していることは何でしょうか?
夏場の暑さです。こまめに水分補給し、水筒の中に氷を入れるなどの工夫をしています。会社からも熱中症対策をしてもらっています。
仕事をする上で特に気を付けていることは何でしょうか?
洗浄チームのリーダーとして仕事の抜けがないように自分自身も気を付けていますが、周りをよく見て、ほかの人のフォローにも入るよう心がけています。
また、けがをしないように初心を忘れず、マニュアル通りに正確に作業するように心がけています。
今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?
できる仕事は積極的にやっていきたいです。
任せてもらえる仕事を増やしたいです。
これから就職活動をする人へ応援メッセージをお願いします。
仕事を頑張ることが大切です。まじめに頑張っていれば、必ず認めてくれる人がいます。あきらめずに頑張ってください。
Bさん
- 年齢:20歳代
- 障がい種別:知的障がい
- 勤続年数:4年
今の会社に入ろうと思った理由は?
就労移行事業所で職業訓練を受けるうちに清掃の仕事があっていると思うようになり、清掃の仕事を探してもらいました。実習を行い、自分に合っていると思ったからです。
今どのような仕事をされていますか?
お客様から返却されたボンベの検査業務を担当しています。
終業前には、自発的に各部署のごみを回収・処分をしています。
仕事をしていて楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?
給料をもらって趣味に使うことができるようになったことです。
また、親を食事に誘ってごちそうできるようになったこともうれしいです。
返却されたボンベの数がとても多くて大変な時、すべて点検し終えた時です。一生懸命仕事をした後は達成感を感じることができます。
仕事をしていて大変なこと、苦労していることは何でしょうか?
空調があまり効かない職場なので、夏場はとにかく暑いです。
仕事をする上で特に気を付けていることは何でしょうか?
安全第一を心がけています。
けがをしない、させないように目配り、気配り、心配りをするように心がけています。
今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?
今の業務で十分満足していますが、パソコンも得意なので事務系の仕事にもチャレンジしたいです。
これから就職活動をする人へ応援メッセージをお願いします。
任された業務に一生懸命取り組むことです。企業で働くと初めて経験することばかりですが、あきらめず、逃げずに何事にもチャレンジすることが大切です。また、得意なことを見つけ、伸ばすことも大切です。
総務人事担当課長さんからのコメント
当社は、障がいを持つ方々の雇用を積極的に推進しています。様々な障がいに応じた業務を創出するため、新たな業務へチャレンジしています。最近ではウエス裁断加工、草刈業務、製造現場補助業務を始めました。
また、実習生の受け入れも行っており、障がいを持つ方々が実際の業務を通じてスキルを磨き、自信を持って働ける環境を整えています。
この取り組みの結果、色々な障がい特性を持つ方々が共に働いています。また、このような成果に結びついているのは、日頃より当社の従業員を支えてくださっている社会福祉法人、行政機関、近隣企業の皆様からのご指導ご鞭撻のおかげであり、心より感謝申し上げます。
今後も、さらなる障がい者雇用の推進を図り、すべての社員が共に成長できる企業を目指してまいります。
このページに関するお問い合わせ
健康福祉部 障害福祉課
〒755-8601 宇部市常盤町一丁目7番1号
- 障害者手帳、自立支援医療、用具の給付、福祉医療費の助成、特別障害者等の手当、福祉タクシー券、障害者バス優待乗車証、NHK受信料の減免、有料道路の通行料金割引、やまぐち障害者等専用駐車場利用証に関すること
電話番号:0836-34-8314 ファクス番号:0836-22-6052 - 障害福祉サービス(介護給付及び訓練等給付、障害児通所給付)に関すること
電話番号:0836-34-8523 ファクス番号:0836-22-6052 - 障害者に対する差別の解消・理解の促進、障害者の社会参加・就労支援、障害者スポーツ・文化の振興、バリアフリーに関すること
電話番号:0836-34-8342 ファクス番号:0836-22-6052