THK株式会社山口工場
THK株式会社山口工場の障害者雇用についてご紹介します。
なお、「障害」の文字については、会社の方針で「障がい」で表記しています。
会社紹介

- 所在地:山口県山陽小野田市山野井1173番地
- 電話番号:0836-72-1521
- 従業員数:800名(2024年12月現在)
- 障がい者数:30人(身体10人、知的12人、精神8人)



企業概要
THK株式会社は東京都品川区に本社を置く、機械要素部品のメーカーです。従業員は約4,200名、国内・海外のグループ会社を含めれば、約9,000名が働いています。日本を始め、欧州・米州・アジアと世界の4極に生産・販売体制を構築し、世界24カ国・134拠点で事業を展開している、グローバル企業です。
同社の主力製品である「直動システム」は、産業機械、自動車、航空機、医療、住宅分野など幅広い業界で使用されています。
なかでも同社が世界で初めて開発に成功した、直線運動用のベアリングである「LMガイド」は、ものづくりにおける機械設備の生産性の向上に大きな貢献を果たし国内シェア70%、世界でも50%を超えるシェアを誇る商品となっており山口工場は、その「LMガイド」の主力工場です。

障がい者雇用担当者への質問
障がい者を雇用するようになったきっかけは?
平成18年、障がい者雇用率が1.0%を下回っていた為、ハローワークから指導を受け3年計画で1.8%(当時の法定雇用率)をクリアするため本社の人事部門が主力の事業所を中心に障がい者雇用の推進を行いました。
雇用するにあたって、企業の体制をどのように整えられましたか?
本社人事部門に障がい者雇用推進担当を配置し、その後、主力事業所において、障がい者職業生活相談員の配置、さらには、企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)を本社・岐阜工場・山口工場に配置し、全社でタイムリーに支援ができる体制を構築しました。
また、年1回の定期面談の定例化と、支援者のスキルアップを図るために全社の職業生活相談員・企業在籍型第2号職場適応援助者(ジョブコーチ)が一堂に会する研修会も実施しております。
仕事を指導する上で、どのような配慮や工夫をされていますか?
障がいの状況に応じた配慮が必要ではありますが、これと言って特別な扱いは行っておらず、ほぼ健常者と同じ扱いであります。あえて言うとすれば次の事に気を付けています。
- 優れた障がい特性を活かせる仕事、環境づくりに心掛けている。
- 自分は会社の役に立っているということを認識してもらえるように心掛けている。
- 毎日声かけを行い(変化に気付く)コミュニケーションを取るように心掛けている。
採用して良かったと思うことは何でしょうか。また、社内にどのような変化がありましたか?
よかったこと
- 各職場の戦力として十分に活躍をしてくれていること。
- 当たり前のことですが、社会に貢献できているということ。
- 障がい者の頑張りにより、周りの健常者によい刺激(相乗効果)を与えてくれていること。
変化について
- 元気で大きな声で挨拶をしてくれることで職場に活気と明るさがでてきたこと。
- 「思い込みの壁」を払拭できたこと。
(障がい者だからといってできないだろうと決め付けてしまうことがなくなってきたこと。) - 障がい者も業務の内容によっては、健常者以上の能力を発揮することに気付けたこと。
- 障がい者とともに働く事で周りへの配慮や人を思いやる事の出来る社員が増えたこと。
- 障がいや障がい者に対しての偏見が無くなって来ていること。
障がい者雇用を検討されている他の企業へのアドバイスはありますか?
障がい者を雇用することについて、不安になることが多くあると思いますが、「障がい者」と言う言葉だけで彼らの能力の範囲や限界を勝手に想像し、机上でためらうだけではなく、まずは職場実習やトライアル雇用等の制度を活用し障がい者を受け入れ、さまざまな仕事をやらせてみることで、障がい特性の理解、就労適性が判断できるのではないかと感じております。おそらく障がい者へのイメージは大きく変わると思います。“案ずるより生むが易し”まずは職場実習やトライアル雇用から始められてはいかがでしょうか?
社員の紹介
Aさん
- 年齢:40歳代
- 障害種別:聴覚障害
- 勤続年数:25年
今の会社に入ろうと思った理由は?
学生時代に職場見学に来た際、会社の人たちの元気よいあいさつが印象に残り、入社してみたい気持ちになりました。
今どのような仕事をされていますか?
LMガイドの精度を維持するため、計測機器の校正、管理をしています。
仕事をしていて楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?
職場の人が、聴覚障害であることを理解していただいているので、聞こえていない時は、身近にいる人に声をかけてもらい、協力していただいたことがうれしかったです。
仕事をしていて大変なこと、苦労していることは何でしょうか?
コミュニケーションをとることに苦労することがありました。冬場はマスク着用者が多く、口の動きが読めず苦労しましたが、現在は障害を理解していただき、マスクを取って話していただいています。
仕事をする上で特に気を付けていることは何でしょうか?
安全とチームを大切にし、コミュニケーションで、わかったふりをしないことです。
今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?
今の仕事をスキルアップさせたいことと、ディズニーランドのあるロサンゼルスの海外支社に赴任したいです。
これから、就職活動をする人へ応援メッセージをお願いします。
障害を認めて、できることを一つ一つアピールできたら良いと思います。
Bさん
- 年齢:30歳代
- 障害種別:身体障害(移動機能)
- 勤続年数:15年
今の会社に入ろうと思った理由は?
兄が入社しており、いろいろ話を聞いて働いてみたいと思ったからです。
今どのような仕事をされていますか?
LMガイドの調整が終わったものを分解する作業や分解が終わったものを洗浄機に流す作業を行っており、その後は、組立、仕上となります。
仕事をしていて楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?
入社の頃は給料をもらえたこと、最近は先輩と遊んだり飲んだりすることです。
仕事をしていて大変なこと、苦労していることは何でしょうか?
安全靴をはくと足が痛くなるので、特注のものを作ってもらって何回も修正していただいています。また、私の障害特性上、立ち仕事は楽ではありません。会社からは座り作業に変えることも提案されたが、困難があっても周りと同様に立ち作業を望んでいます。
仕事をする上で特に気を付けていることは何でしょうか?
安全第一で労働災害をおこさないように日々安全を心がけています。
※「私の実行すること」という内容の目標が各自の腕章に書かれています。Bさんの腕章には「ポカミスを0にする」となっています。
今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?
LMガイドの調整や仕上げをやってみたいです。
これから就職活動をする人へ応援メッセージをお願いします。
あいさつが第一。職場の作業内容が合わなかったら、上司にすぐに相談するようにすればよいです。最初から諦めずに、まずはチャレンジすることです。
Cさん
- 年齢:30歳代
- 障害種別:知的
- 勤続年数:17年
今の会社に入ろうと思った理由は?
特別支援学校から実習で約2週間、その後また3週間程度の実習を3~4回経て、入社となりました。また、自分の夢に向かってがんばれると思いました。
今どのような仕事をされていますか?
当初はダンボール組立、現在は出荷作業認定者の資格を取得し出荷業務に従事しています。包装・梱包された製品のオーダー票をバーコードで読み取る作業です。
※出荷作業認定者の資格は社内技能検定(国家技能検定機械検査2級相当)合格が必要で、山口工場でこの資格を取得しているのはわずか6人のみで、うち2人は知的障害者
仕事をしていて楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?
出荷業務の担当をしていると、工場の出荷状況が把握できるので、やりがいを感じています。
仕事をしていて大変なこと、苦労していることは何でしょうか?
夕方になると製品が多く仕上がってくるのでオーダー票を読み取ることが大変です。
仕事をする上で特に気を付けていることは何でしょうか?
出荷処理漏れがないように気をつけて注意しています。
今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?
いずれは、製造の仕事にも進んでみたいです。
これから就職活動をする人へ応援メッセージをお願いします。
何でも一生懸命に頑張れば、いいことがあります。障害があってもあきらめずくじけないことです。
Dさん
- 年齢:30歳代
- 障害種別:発達障害
- 勤続年数:13年
今の会社に入ろうと思った理由は?
特別支援学校3年生の実習で、自分に合っていると思ったからです。
今どのような仕事をされていますか?
ダンボール組立を経て、3月から製造現場へ配属予定です。
仕事をしていて楽しいこと、うれしかったことは何でしょうか?
給料がもらえることです。
仕事をしていて大変なこと、苦労していることは何でしょうか?
山口市からの通勤が大変です。(マイカー通勤)
仕事をする上で特に気を付けていることは何でしょうか?
安全第一、ケガをしない、体調管理です。また、同じミスをしない、分からないことは必ず聞くことです。
今後はどのような内容の仕事をしてみたいですか?
製造現場の組み立て作業です。
これから就職活動をする人へ応援メッセージをお願いします。
障害があっても、諦めないで努力し、自分の夢に向かって頑張ってください
山村勝則 工場長からのコメント
障がい者雇用を推進して行く当初は、どこからどのように始めてよいのかわからず手探り状況でありました。
そのような中で、まずぶつかったのが「思い込みの壁」でした。業務の内容により就労可能かの可否を指導者側で勝手に判断してしまう場面が多くありましたが、実際に業務を任せてみると、健常者と同等またはそれ以上の働きぶりに驚かされることもありました。まずは「やらせてみる」ことの大切さを認識しました。
今後についても、会社の戦力として必要とされていること、役に立っているということを認識していただき、障がい者と健常者がともに働きやすい環境づくりを進めて行きたいと考えております。
このページに関するお問い合わせ
健康福祉部 障害福祉課
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