弥生~古墳時代

ウェブ番号1003976  更新日 2021年2月10日

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弥生時代(2,300年前~西暦300年頃)

縄文時代晩期、中国大陸から北部九州に渡来した稲作農耕と青銅器や鉄器は、新たな文化を作り出しました。人々は稲作に適した低地にムラを作って定住し、食糧を生産する農耕生活へと変化していきました。進んだ技術を取り入れたムラは、周囲のムラを支配してクニを作り、次第に貧富の差が生まれます。戦争が始まったのもこの時代といわれています。

弥生時代の土器は、縄文土器にあった文様がなくなり、茶色や黄土色で、水や米を蓄える壺、煮炊き用の甕、盛りつけ用の高坏などがあります。

北迫遺跡(きたさこいせき)

写真:北迫遺跡から出土した石包丁
石包丁(北迫遺跡)

標高80メートルの丘陵上にある、約1,900年前に作られた高地性集落で、貝塚も伴っています。長さ14メートル、厚さ1メートルの県内最大規模の貝塚からはハイガイ、マガキ、ハマグリ、シジミ、カワニナなどが出土しました。狩猟具や漁労具などは見られず、貝類は蛋白源として食生活を補っていたと考えられます。

竪穴式住居は14棟確認されましたが、住居跡から石包丁や炭化米が出土しており、畑作中心の農耕をしていたと思われます。

北迫遺跡のページに詳しい説明があります。

古墳時代 (西暦300年~600年頃)

各地の豪族たちが、権力の象徴として巨大古墳(前方後円墳)を造った時代で、前・中・後期に分かれます。小さなムラやクニの集まりだった日本が、次第に統一されていきました。

人々の生活は弥生時代と変わりませんが、技術の進歩により耕作地が拡大していきました。弥生土器の流れをくむ「土師器(はじき)」という土器の他に、5世紀中頃に朝鮮半島から伝わった「須恵器(すえき)」という新しい焼き物も使用しました。須恵器は灰色をした堅い土器で耐水性があり、水や酒などの貯蔵に適しています。古墳時代後期になると、一般民衆も小さな円墳を造るようになりました。

市内では、後期の古墳が多く、厚東校区の萱曲古墳・棚井古墳群・持世寺古墳群や東岐波校区の琴平山古墳・砂山古墳・若宮古墳群・月崎岬古墳群などがあります。

松崎古墳(まつざきこふん)

藤山松崎町の厚東川河口を見渡せる山頂に造られた、古墳時代中期(約1,600年前)の円墳で、3面の青銅鏡、琥珀製勾玉、鉄剣・鉄刀などが出土しました。特に三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)の副葬は、古墳の埋葬者が古代中央政権と深い関わりがあることを示しています。

松崎古墳出土品のページに詳しい説明があります。

若宮古墳群(わかみやこふんぐん)

東岐波の若宮海岸近くに、約1,400年前に造られた5基の古墳群で、横穴式石室という、死者を埋葬する部屋を土で丸く覆った円墳です。

古墳からは、多くの須恵器や装身具(ヒスイ・メノウ・水晶製の勾玉やガラス小玉、碧玉製管玉など)の他に、鉄鏃や刀子などが出土しました。周辺地域を支配していた豪族とその家族の墓と思われます。

写真:若宮古墳群から出土した勾玉

上から「耳輪(金環)」「碧玉製管玉」「水晶製切子玉」「ガラス小玉」
(萱曲古墳出土)

下:「勾玉」(左から水晶・メノウ・ヒスイ、メノウ・メノウ)
(若宮古墳)


写真:若宮古墳群から出土した平瓶と提瓶
平瓶と提瓶
写真:若宮古墳群から出土した坏と坏蓋
坏と坏蓋
写真:若宮古墳群から出土した高坏とはそう
高坏とはそう
写真:若宮古墳群から出土した鉄鏃
鉄鏃

古代の生産遺跡

花ケ池窯跡(はながいけかまあと)

古墳時代後期(6世紀後半)から操業された、須恵器を焼いた窯跡です。東岐波市民センター前の花ヶ池の国道よりの斜面に造られた穴窯(登り窯)で、県内で古い須恵器窯の一つです。

波雁ケ浜遺跡(はかりがはまいせき)

古墳時代中期から奈良時代にかけて営まれた製塩遺跡です。東岐波スポーツ広場のある砂丘から見つかりました。脚のついた碗形土器に海水を入れ砂に立てて、煮沸して結晶塩を取り出す方法で、土器製塩が行われました。

また、付近からミニチュア土器や土製勾玉、滑石製の馬形模造品・勾玉などの祭祀に関係すると思われる遺物が出土しました。製塩の際の祀りに供えられたものと思われます。

波雁ケ浜遺跡出土品のページに詳しい説明があります。

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