平安~室町時代(3)
平安~室町時代(3) 中世のくらし
市内の中世時代の遺跡から出土した資料で、中世の人々の暮らしぶりを想像してみましょう。
どんな家に住んでいたのでしょう?
下の写真は小野平原地区から出土した室町時代頃の集落跡「小野平原遺跡」の様子です。穴がたくさん見えますが、このほとんどは家の柱が立っていた穴で、「柱穴」といいます。当時の家は地面に穴を掘って直接柱を立てただけの「掘立柱建物」といい、板やワラで屋根を葺き、壁や床は板張りまたは土間と思われます。地中部分の柱はくさりやすく、たくさんの穴は、何度も建て替えがあったことを示しています。

どんな道具を使っていたのでしょう?
中世の遺跡からは、赤茶色の土師器(はじき)や瓦の質のような瓦質土器(がしつどき)という素焼きの土器が多く出土します。食器や食事の煮炊き用として使われました。


底に足が3本つく特徴のある形をした瓦質の鍋です。鍋の下で火を焚くので、外側にはススが付いています

オロシ目が刻まれています
舶来品もあります!

青白磁などの磁器は、鎌倉時代から室町時代にかけて中国から多量に輸入されました。左の青磁碗は中国南宋時代の龍泉窯系の窯で造られたものです。経済力のある領主や地主のような人もいたと思われます。
珍しい遺物
厚東棚井の「棚井上遺跡」は、東隆寺の前面に広がる中世の集落跡です。寺院に関係する遺物が出土しました。
ミニチュアの仏像が出土
聖観音菩薩立像(棚井上遺跡)


高さ4.1センチメートル。右手を下に左手を曲げて宝瓶を持っている姿。金銅製。台座の部分に鍍金の跡が残っています。
墨書土器発見!!

左から「妙秀禅尼」「妙通禅尼」と読めます。妙秀さんや妙通さんという僧尼がいたのでしょう。
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