平安~室町時代(3)

ウェブ番号1003979  更新日 2021年2月10日

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平安~室町時代(3) 中世のくらし

市内の中世時代の遺跡から出土した資料で、中世の人々の暮らしぶりを想像してみましょう。

どんな家に住んでいたのでしょう?

下の写真は小野平原地区から出土した室町時代頃の集落跡「小野平原遺跡」の様子です。穴がたくさん見えますが、このほとんどは家の柱が立っていた穴で、「柱穴」といいます。当時の家は地面に穴を掘って直接柱を立てただけの「掘立柱建物」といい、板やワラで屋根を葺き、壁や床は板張りまたは土間と思われます。地中部分の柱はくさりやすく、たくさんの穴は、何度も建て替えがあったことを示しています。

写真:柱穴1

写真:柱穴2
当時の柱が残っていました

どんな道具を使っていたのでしょう?

中世の遺跡からは、赤茶色の土師器(はじき)や瓦の質のような瓦質土器(がしつどき)という素焼きの土器が多く出土します。食器や食事の煮炊き用として使われました。

写真:小野平原遺跡からの出土品1
土師器の皿(小野平原遺跡)

写真:小野平原遺跡からの出土品2
足鍋(小野平原遺跡)

底に足が3本つく特徴のある形をした瓦質の鍋です。鍋の下で火を焚くので、外側にはススが付いています


写真:小野平原遺跡からの出土品3
すり鉢(小野平原遺跡)

オロシ目が刻まれています


舶来品もあります!

写真:小野平原遺跡からの出土品4
青磁碗と白磁皿(小野平原遺跡)

青白磁などの磁器は、鎌倉時代から室町時代にかけて中国から多量に輸入されました。左の青磁碗は中国南宋時代の龍泉窯系の窯で造られたものです。経済力のある領主や地主のような人もいたと思われます。

珍しい遺物

厚東棚井の「棚井上遺跡」は、東隆寺の前面に広がる中世の集落跡です。寺院に関係する遺物が出土しました。

ミニチュアの仏像が出土

聖観音菩薩立像(棚井上遺跡)
写真:聖観音菩薩立像2
側面
写真:聖観音菩薩立像1
正面

高さ4.1センチメートル。右手を下に左手を曲げて宝瓶を持っている姿。金銅製。台座の部分に鍍金の跡が残っています。


墨書土器発見!!

写真:棚井上遺跡からの出土品
土師器・杯(つき)(棚井上遺跡)(器の内側)

左から「妙秀禅尼」「妙通禅尼」と読めます。妙秀さんや妙通さんという僧尼がいたのでしょう。

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