記念会館の構造と特徴
竣工時の記念会館の構造については、工事関係者の一人である沖ノ山炭鉱株式会社工作課長の篠川辰次が、「躍進宇部の一大威容 渡辺翁記念会館 工事成る」の文章を残しています。冒頭の文章を断片的に借りると「本建築はインターナショナルタイプにして、自由模作によつてでき上つた曲線流暢なる飛行機型の平面を有し、骨格豪壮容姿端麗の堂々たる殿堂」「其の恰好意匠に於て設備に於て實に内外に比類なき先端的大殿堂で、我が宇部發展史上に輝しい一頁を飾ると共に、我が宇部文化の驚異的飛躍のシンボルなのである。」
記念会館は、1958年、1975年の改修工事に続き、1994年に建築主体を中心にした大改修工事を行いました。
鉄筋コンクリート造り、建築面積2,629平方メートル、建築延面積4,582平方メートルです。
記念会館の正面には、6本の記念柱と台座型の記念碑があります。渡辺翁と関連のあった7社を記念して配したもので、記念性を重視した村野藤吾のアイデアです。記念柱は当初、コンクリートの打ちっぱなしでしたが、歳月とともに表面の割れ目等が目立ち始めたため、何度か塗りなおしています。
正面入り口の両側には、炭都宇部市を象徴する鉱夫が、人造石に彫られています。1階のロビーに入ると、大理石の円柱が目を引きます。山口県長門産出のこの大理石は、白色系の色合いで重厚な空間を演出し、まさに伝統ホールの趣です。事実、1937年竣工の記念会館は、西日本では最も古い部類のホールといえます。ホール内の客席数は1階837席、2階516席の計1,353席です。1994年の改修以前は1,450席ありましたが、椅子の前後の間隔を広めたことと、車椅子用スペースを確保した関係で今の客席数に落ち着きました。
舞台はプロセニアムアーチ構造で、間口18メートル、奥行き12メートルです。開館当初はオーケストラピッドが設けられ、国内の交響楽団の演奏会場として利用されたほどです。1975年、舞台の拡張工事が行われ、オーケストラピッドは姿を消しました。2階のロビーに使用された円柱の大理石も長門産出ですが、褐色系なので1階とはまた違った雰囲気です。
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宇部市渡辺翁記念会館・宇部市文化会館
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