宇部のお茶
お茶の生産面積・生産量
宇部市北部の小野地区においては、平成20年には約70haの栽培面積がありました。茶畑が1箇所に集まっている茶園は珍しく、他県ではそのような茶園がないため、「西日本一の規模を誇る大茶園」と言われています。
しかしながら、担い手の不足・高齢化により、生産量と生産面積は年々減少しており、令和6年現在で約30haほどになっています。
宇部市のお茶生産量(概算)
年度 |
生葉生産量(t) |
荒茶生産量(t) |
---|---|---|
令和元年度 |
397 |
95 |
令和2年度 |
271 |
60 |
令和3年度 |
347 |
81 |
令和4年度 |
352 |
83 |
令和5年度 |
361 |
79 |
お茶まつり
毎年5月初旬に宇部市お茶まつりが開催され、市内外から多くのお客さんで賑わいます。新茶や地元特産品の販売を始め、お茶摘み体験など、各種行事が催されます。
お茶に関するQ&A
Q 小野地区の茶園で作られているお茶の品種は?
「やぶきた」という品種です。
次のような特徴があるため、全国的に最も多く作られています。
独特な強い香りを漂わせ、ほのかな渋味を持ち甘味に富んでいます。
「やぶきた」の特徴
- 広域適応性品種で、作りやすく、耐寒性に優れている
- 煎茶としての品質が極めて優れている
- 集約的管理を行えば高い収量を上げることができる
Q 茶園の中にたくさん立っている扇風機みたいな機械は何ですか?
「防霜(ぼうそう)ファン」という、お茶に付く霜を防ぐための機械です。
新茶の芽が伸びる4月は、まだ朝晩の冷え込みが強く、遅霜が降りる日が多くあります。新芽に霜が付くと、霜が解けて蒸発する際に急速に気化熱を奪うため、人が日焼けを起こして肌が焼けるのと同様に芽が焼けてしまい、お茶が収穫できなくなります。
そこで、この防霜ファンを動かして、上空数メートルのところにある比較的暖かい空気を地表付近に送り込むことにより、お茶に霜が付かないようにするのです。
Q 茶園で作られたお茶の葉は、どうやって私たちの知る茶葉になるのですか?
お茶ができるまでには、大きく分けて三つの工程があります。
「茶摘み」
毎年4月下旬から5月頃、お茶の摘み採りが始まります。摘み採られた茶葉(生葉)は「荒茶(あらちゃ)工場」へと運ばれます。
「荒茶(あらちゃ)工場」
摘み採られた茶葉を蒸して揉んで乾燥させます。こうしてできたものを「荒茶(あらちゃ)」といいます。
「製茶工場」
ここで、荒茶の形や大きさを整えたり、お茶の香りを引き出して製茶し、箱や袋に詰めて商品にします。
Q 茶園で作られたお茶は、どんな種類のお茶になるの?
実は、紅茶・緑茶・ウーロン茶など、すべてのお茶は同じ茶の品種から作られます。
栽培方法や製造方法によって、見た目も味も香りも違う、色々な種類のお茶になっていくのです。
小野地区の茶園では、主に煎茶・焙じ茶などが生産されています。
お茶の種類
不発酵茶(蒸し)
- 煎茶:摘んだ茶葉を蒸して揉んで乾燥させて作られるお茶。日本茶としてイメージされる、代表的なものです。
- 深蒸し煎茶:煎茶に比べ、蒸し時間を長くして渋みをおさえ、甘味のあるまろやかな味のお茶。
- 番茶:伸びて硬くなった茶葉や、煎茶の仕上げ工程で除かれた茶葉や茎を原料としたお茶。
- 粉茶:煎茶の仕上げ工程でふるい分けされた粉末状のお茶。
- 茎茶:煎茶の仕上げ工程でふるい分けされたお茶の茎や葉柄を原料としたお茶。
不発酵茶(煎り)
- ほうじ茶:煎茶や番茶を強い火で炒って作られたお茶で、香ばしい香りが特徴。
- 玄米茶:煎茶や番茶に炒った米を混ぜて作られたお茶。香ばしい玄米の香りがお茶の味を引き立てます。
- 釜炒り製玉緑茶:鉄製の釜で茶葉を炒って仕上げたお茶。丸い形をしており、炒った香りが特徴。主に九州地方で作られます。
不発酵茶(その他)
- 玉露:お茶の木に覆いをかけ、日光を遮って作られたやわらかい茶葉を原料として、煎茶と同様に製造したお茶。
- てん茶:新芽が伸びだした頃に、茶園に覆いをして栽培し、蒸した茶を揉まないで乾燥させたお茶。
- 抹茶:てん茶を石臼などで挽いて、細かい粉末にしたもの。茶道で使われますが、苦い・渋い・旨いなど、茶葉の味がそのまま出るため、茶葉の質が大きく問われます。
半発酵茶
- ウーロン茶:半発酵茶で、緑茶と紅茶の中間に位置する香り高いお茶で、さっぱりとした風味が好まれています。台湾・中国が主な産地。
発酵茶
- 紅茶:茶葉を完全発酵させて揉みながら乾燥させたお茶。インド・スリランカなどが主な産地。
Q お茶の「おいしい入れ方」を教えてください。
お茶の入れ方(目安)
種類 |
人数 |
茶葉の量 |
湯の温度 |
湯量 |
浸出時間 |
---|---|---|---|---|---|
煎茶 | 5人 | 10g | 90℃ | 450cc | 1分 |
番茶 | 5人 | 15g | 100℃ | 650cc | 30秒 |
ほうじ茶 | 5人 | 15g | 100℃ | 650cc | 30秒 |
【ポイント】
- お湯の温度をしっかり守りましょう。はじめにお湯を3~5分沸騰させると、ほぼカルキ臭が抜けますので、その後、適正な温度になるまで湯冷ましをして急須に注ぐと良いでしょう。
- 急須にお湯を注ぐときは、茶葉をしっかりお湯に浸し(これを「浸出(しんしゅつ)」といいます)、しばらく待ってから湯飲みに注ぎましょう。
- 最後の一滴は、旨味や香りや成分が濃縮された最も美味しい一滴になります。そのため、最後の一滴まで注ぎきりましょう。
紅茶では、最後の一滴は「ゴールデンドロップ」とも呼ばれています。
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