ハクチョウ復活の取組経過
ハクチョウ導入経緯
昭和31年に「常盤公園開発整備に関する基本計画」の一環で、ときわ公園の整備として、水と森を活かすためハクチョウを導入することが決まりました。
そのころ、皇居外苑のお堀では、日本で1番多くのハクチョウが放養されていましたが、それを超える羽数を放し飼いにして「常盤湖を日本一に」という思いで、当時、黒(石炭)で名を知られている宇部を白(ハクチョウ)で売り出すことになりました。
昭和32年6月、オランダのロッテルダム・シルブルグ動物園から約2万キロの距離を、船と鉄道を乗り継いでコブハクチョウ 20 羽が宇部に到着。 同年7月7日、市内をパレードした後、数千人の市民に見守られながら湖に放されました。
さらに同年9月に同動物園から、10羽、引き続き10月にはドイツのハンブルグのハーゲンベック動物園から18羽のコブハクチョウが到着し、湖に放されたハクチョウの数は48羽になりました。翌年には初めてのヒナが誕生し、昭和35年には100羽を超え、毎年順調に繁殖。 また、昭和34年にはオーストラリアからコクチョウ2羽が輸入され、こちらも順調に繁殖し、着実に飼育数が増え、東洋のレマン湖といわれた常盤湖は「白鳥湖」として全国から注目を集めるようになりました。
昭和36年、鹿児島市の鴨池動物園(現在の平川動物公園)に増殖したハクチョウを分譲。以来、北は北海道から南は沖縄まで、国内だけではく、アメリカや台湾など約2000羽が国内外の動物園や公園に旅立ちました。
高病原性鳥インフルエンザの猛威
ハクチョウやペリカンを放し飼いしていたときわ公園では、世界中で高病原性鳥インフルエンザが猛威をふるう中、消石灰の散布、消毒マットの設置など、予防に取り組んできました。
しかし、平成23年2月、園内で死亡した野鳥のキンクロハジロや白鳥湖で飼育していたコクチョウから高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されました。
ときわ公園のハクチョウは、飼育鳥であることから、県の指導では、家きんに準じた扱いをすることが妥当とされ、さらに、1羽でも発症した場合は、感染の拡大が想定されるため、初期段階での迅速な防疫措置が極めて重要であるとの専門的な立場からの指導も受けました。
ときわ公園では、ハクチョウやペリカン、フラミンゴなど多くの鳥を飼育し、さらに、市内には多くの家きん飼育農場があり、 約60万羽の鶏を有する県内有数の養鶏地域でもあることから、やむなく白鳥湖で飼育していたハクチョウ類など338羽を殺処分することとなりました。
ハクチョウ復活へ
宇部市のシンボルであるハクチョウを失って以降、新しく示された国の指針に基づき、宇部市独自の「常盤公園高病原性鳥インフルエンザ対応マニュアル」を策定し、ペリカン島に防鳥ネットを設置するなど、管理体制を強化してきました。
また、平成23年6月に設置した「常盤湖を考える市民委員会」から、「数年間は、高病原性鳥インフルエンザの発生状況を注視するとともに、ペリカンの飼育状況を検証し、専門家の意見を取入れながら、感染リスクを最小限にできるハクチョウの飼育方法を検討の上、近い将来、ハクチョウの復活を」との答申を平成23年12月に受け、これらの取組を進めてきました。
加えて、平成28年には、鳥類の療養施設等を整備し、経験豊富な獣医師をときわ動物園長に迎えるなど飼育体制を整え、また、市民からの復活を望む声も多くあったことから、平成28年9月にハクチョウの復活を決定しました。
ハクチョウの復活に向けたこれまでの取り組み
平成23年
- 国の指針を踏まえ、本市独自の「高病原性鳥インフルエンザ対応マニュアル」を策定
- ペリカン島に防鳥ネットの設置等、管理体制を強化
平成23~27年
- 高病原性鳥インフルエンザの発生状況を調査
- 防鳥ネット設置下でのペリカンの飼育状況を観察
- 鳥類の療養施設等を整備
平成28年
- 経験豊富な獣医師をときわ動物園長に迎え、飼育体制を強化
- 白鳥飼育施設について、調査等を開始
- 防鳥ネット設置下でペリカンの赤ちゃんが誕生
- 白鳥復活市民募金(寄附金総額:約500万円)
平成29年
- 4月29日 コブハクチョウ2羽を受入(下関市響灘ライオンズクラブより寄贈<下関市深坂ため池>)
- 11月2日 白鳥飼育施設1棟完成(3部屋)<高病原性鳥インフルエンザ感染対策施設>
令和元年
- 10月19日 コブハクチョウ2羽、コクチョウ1羽を受入(神戸どうぶつ王国より寄贈)
<合計:コブハクチョウ4羽、コクチョウ1羽>
令和4年
- 3月 ときわ公園活性化基本計画(第三次)
白鳥飼育数の目標値(概ね20羽)と白鳥飼育施設の増設を表記
令和5年
- 5月23日 秋篠宮皇嗣殿下が白鳥飼育施設をご視察
- 10月末 白鳥飼育施設1棟(2部屋)完成予定
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